第20号 「月がお空に」 -2013年06月10日配信-

子育てに「ほめ達!」をいかに取り入れるか、

そのお問い合わせがすごく増えてきています。

 

「子どもは未来からの使者である」

インドの詩聖タゴールの言葉です。

その使者にどんなメッセージを託すのか。

子どもと触れる大人を元気にしていきたい。

「ほめ達!」の大きな使命の一つです。

子ども育ては、自分育て。

たとえ自分の子どもであっても、人を変えることは出来ません。

影響を与えることしか出来ません。

成長することの楽しみを大人自身が感じていなければ、

それを子どもに伝えることは出来ません。

子どもだけでなく、部下指導にも同じことが言えるでしょう。

 

「人を育てる難しさ」とよく言われています。

先日の日経新聞の春秋コラムでも上司の悩みのナンバーワンは、

部下が育たないことという内容が取り上げられていました。

 

少し角度を変えて「部下に育ててもらう」と考えてみたらどうでしょう。

部下とのコミュニケーションを通して自分の人間力をあげてもらう。

幅を広げてもらう。

部下の成長を考えると、自分の成長が止まってしまう。

そんなこともあるかも知れません。

 

「ほめる」と「叱る」どっちが大事か。よく言われる議論です。

ところがその両方よりも、もっと大切なことがあります。

 

それは、「誰が」言うかという問題。

あなたにほめられても嬉しくないです、と言われるのが一番辛いこと。

最後は人間力です。

 

今はもう19歳になる長女が、小学校3年生のときに、

夜の空を見て私にこう教えてくれました。

 

「パパ!上弦の月や!」。私は娘にこう言いました。

「すごいな!そんな言葉知ってるんや!パパ尊敬するわ!

でもな、なっちゃん。なっちゃんが3歳のとき、

同じお月さんを見てこう言ったの覚えてる?」

「なに?」

「パパ!お月さんが空に食べられてる!」

「えー!そんな可愛いこと、なっちゃん言うたん!全然覚えてない!」

 

私たちは、知識と経験を得るかわりに、

本来持っていた素敵な感性をどこかに

忘れてきていることがあるのかも知れません。

 

子どもや若い人というのは、

私たちにそんな感性を思い出させてくれる

貴重な存在でもあるのです。

 

子どもや部下に対して、そんな尊敬を持って接してみませんか。