第114号 「心の凪をつくるには」 -2017年05月22日配信-

同じものを見ていても、心の状態が違うと、まったく違ったものに見える。
人と接していても、同様。
余裕があるときには、なんとも思わなかった一言が、
ぐさっと心に突き刺さったり、心がざわついたりする。
揺らいだ心で受け取ると、その揺らぎが増幅されて、
さらに大きな波となる。そしてやがては、嵐に。
嵐になると、心が翻弄されて、自分の心なのに、
自分ではどうすることもできなくなる。
コントロールが効かなくなってしまう。
心の嵐に翻弄された言動で、本意ではないのに、相手や自分を傷つけてしまう。
自己嫌悪と次の波、次の嵐。マイナスの連鎖。

それでは心の凪をつくるには、どうすればいいのか。
逆説的ですが、嵐を楽しむことです。
心の嵐を受け止めて、荒れ狂う波涛をしっかりかぶる。
そして、波の高さを観測し、その波で自分が受けるダメージを観察する。
この観察ができるようになると、嵐の連鎖が止みます。
やがて、ゆっくりゆっくりと嵐が収まりだします。
心の凪は、時間をかけて整えるものなのです。

そして、嵐になっても慌てない。
人間だから、生きていれば、心がざわつき、波が立ち、嵐になることもあるさ。
と、そんな状態を素直に受け入れることも大切。
完璧を求めず、不完全であることを受け入れること。
完璧、完全な人間などいないのです。
嵐があるから、心の凪の価値がわかるのです。

あなたの心、今、凪ですか?嵐ですか?

心の凪に感謝、そして、嵐にも感謝です。
懸命に生きているという証拠ですから。