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百貨店戦略に学ぶ

  • 2020/06/02
  • ネクタイ派手夫の保険流通革命メルマガ

三越伊勢丹ホールディングスは、新型コロナウイルスの影響でほぼ全店が休業し、5月の売り上げは前年の10分の1以下に落ち込む見通しですが、漸く5月中旬に地方の店舗から開け始め、5月30日には東京と埼玉の6店舗でも営業が始まりました。およそ1か月半ぶりに、国内の全店舗で営業が行われることになります。たまたま用事があってネクタイ派手夫も新宿に行った際に、行列に釣られて伊勢丹に行ってきましたが、再開日の割には人手が少ないなと思いました。なかなか、再開してもこれまでどおりには戻らないですよね。「お客様も緊急事態宣言が解除されても、買い物に出かける機会、回数は減るのではないか。買い物のスタイルも大きく変わっていくのではないか」と当該社は見ています。
 
新型コロナウイルスの影響で百貨店として課題となっているのが、「地方店舗のあり方」です。当該社は「地方の店というのは、東京にある店のコンパクト版」をつくって、その中で買い物をしていただくやり方をしていたが、それはもう限界との考えを示しています。

そこで、打開策と見ているのが、やはり「ネット分野の強化」です。ネット通販は当該社の全体に占める割合はまだ2%ながら、休業期間に売り上げは2倍以上に伸びたそうです。「地方の店は、リアルでは旗艦店の品ぞろえはできないが、ネットを通じて東京の店の品ぞろえが全部見られて、全部お買い上げができるようにする」との展開を示しています。
「地方でも品そろえが豊富な所に人は集まる」は保険ショップでも成功の要因となりました。地方でソニー生命とかアクサ生命等々とかの保険商品を扱っているところはなく、一方お客様はソニー生命の学資保険が良いと聞いていて、保険ショップの店頭に「ソニー生命あります」と書いただけで人が殺到したという保険ショップ操業当時の実体験があります。インフラでは限界がある品ぞろえをネットでそろえるというのは地方のやり方の一つになると思います。

一方、東京の旗艦店は、ほかにはない魅力的な商品と出会える場にしていこうとしています。伊勢丹新宿店では、バイヤーが発掘した「地域の逸品」を販売する取り組みも始めています。
「東京では逆に地方の逸品を販売することで特徴を出す」という戦術だそうです。地方は都会を、都会は地方を双方向に求めているという不思議な構図ですね。でも、ここにヒントがあると思っています。それが保険ショップでは何かを模索していきたいと思います。

ちなみに皆さんは百貨店に何を求めて行きますか。
ひとつは上述の「品質の良い品物が豊富にある」だと思います。ブランド店の旗艦店には入りづらいですが、百貨店だと同じフロアにブランド店が軒を並べていて、気軽にブランドも楽しむことができますよね。保険ショップも路面店に「わざわざ」行こうと思うと少しハードルを感じますが、商業施設内に出店している保険ショップだと気軽に立ち寄れるという安心感と、この商業施設に出店している店舗だから安心という2つの安心で成り立っています。保険加入する際に保険代理店に何を求めるか聞くと「安心」「誠実」等々といったワードが並びますが、保険ショップは商業施設内店舗であることの安心が一番の売りであることは間違いないと思います。

2つ目は、「接客の高い質」だと思います。気持ちの良い接客を楽しみに百貨店に行かれる方も多いと思います。どの店員もしっかり教育されていて、服装もきちんとしていて「人という面からも安心感」を感じさせてくれます。保険ショップも高い接客品質でお客様の支持を集めてきました。

緊急事態宣言中に多くの人がネットでモノを買い、接客の必要性を感じなくなり、わざわざ百貨店に行かなくなっては、百貨店の存在価値がなくなってしまいます。
どう対処するか、百貨店戦略にも常に注意しつつ、保険ショップのあり方も考えていく必要があると思いますね。