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東京海上がアマゾンで保険販売

  • 2022/08/15
  • Dr.ウエノの保険コラム

東京海上社は8月22日から、アマゾンジャパン(東京・目黒)のネット通販サイトで保険を販売することが報じられました。

何と、地震保険から始め、傷害保険などに広げるそうです。
アマゾンのアカウントで保険に加入し、保険料の支払いから保険金の受け取りまで一括で提供するのは大手保険では国内初で、巨大なアマゾンのデジタル販路を生かし若年層を取qり込むとしています。

これで、対面営業が主流だった保険販売は転換点を迎えることになるとも報じていました。

保険販売はこれまで対面営業や自社のネットが主流で、業界全体で自動車保険はネット経由の販売シェアが1割程度(保険料ベース)にとどまるなど、デジタルの販路を活用しきれていないのが実態ですが、利用者が多いアマゾンのサイト経由で販売すれば、保険になじみの薄い若年層の取り込みにもつながるとしています。

利用者はアマゾンのサイト上にある広告から、保険加入用の専用サイトにアクセスし、アマゾンのアカウントの認証に同意したうえで補償内容など必要な情報を入力し、保険料をアマゾンペイで払うことで、契約手続きできるというスキームになるそうです。API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)と呼ぶデータ連携の仕組みを使うため、氏名や住所、メールアドレス、電話番号の再入力は不要となるとしています。

まず地震保険を販売し、あらかじめ決めた震度の地震が起きたとき、最短3日で自動的に定額の保険金を支払うそうです。LINE保険が地震保険をプレゼント保険にして販売したパターンを使ったようですが、確かに保険金支払いの査定が簡単でアマゾンでも販売しやすいと判断したのだそうですが、どんなスタートになるのか興味津々ですね。保険金は現金のほか、アマゾンギフト券で受け取ることもできるそうで、このあたりはアマゾンの強みが発揮できますね。

今回の仕組みでは、実際に顧客が契約するのは東京海上のサイトになるため、アマゾンは保険の販売代理店には当たらないそうです。
更に、東京海上はアマゾンのサイト経由でけがを補償する傷害保険などの取り扱いも検討すると報じていました。

アマゾンを通じて若年層の取り込みをしたいという主旨で、なぜ、地震お見舞い保険なのか全く理解できませんが、このあたりが流石のTOKIOMARINEさんの感性でしょうか。
皆様は如何にお考えですか。

これで益々東京海上の「保険代理店はいらない」というメッセージは確実に伝わったと思います。東京海上専属代理店で取扱い収保約7億円の代理店さんが東京海上から直資代理店へ統合するよう督促を日々受けているという話を聞きましたが、さあ、損保代理店の皆様、どうやって生き残っていきますかね。

答えは、「大型代理店に統合される」か、「損保代理店というカテゴリーから生保代理店というカテゴリーに変わる」ことかと考えています。どちらにしてもお悩みの損保代理店の皆様、結心会でオンライン相談できますので、是非結心会のLINEグループに参加下さい。


通販型自動車保険

  • 2022/08/08
  • Dr.ウエノの保険コラム

国内自動車保険市場で、インターネットなどを利用して契約するダイレクト型(通販型)損害保険会社のシェアが拡大していると報じられていましたが、皆さん、そう思われますか。

積極的な広告展開で認知度が向上、安い保険料と契約の手軽さが受け入れられている一方、事故対応などへの漠然とした不安もあって、対面型の大手損保の牙城を崩すまでには至っていない状況が相変わらず続いていると思います。

SBI損保社は、安い保険料だけでは壁を突破できないと考え、テレビCMとサッカー支援に力を入れ、SBI損保の社名を露出する機会を増やすことで認知度を高め、安心感と信頼感を醸成する戦術に出ているそうです。通販型自動車保険は、補償の選びやすさ、見積もりの取りやすさ、ウェブサイトの見やすさを如何にアピールして新たな顧客を呼び込むかですが、残念ながら、ここ20年くらい同じ壁にぶつかっている感じがしています。

ダイレクト型で自動車保険売り上げ(元受正味保険料)1位のソニー損保社は「ダイレクト型は安いが何となく不安という先入観を払拭することでシェアを拡大できる」と言い切り、24時間365日の事故受け付けはもちろん、専任担当者が最後までサポートすることなどで事故対応満足度の高さを訴え、商品では、走った距離に応じて保険料が変わる合理性を相変わらず売りにしていますが、何となく考え方が間違っていると思います。

同じ戦術を20年近くしていて、現状シェアしかとれないのは、やはり「募集網」にある訳で、車を販売、車検でつながりのある自動車整備工場やカーディーラーという強力な募集網を持つ損保会社に勝てるわけはないですよね。事故をして納車する先で自動車保険に加入しておけば何の手間もいりません。しかも、商品性を高めるといってもニーズの顕在化している自動車保険ですので、差別化しようがないですよね。

しかも、自動車保険は一定率で確実に「事故」があり、保険金支払いが発生するので、劇的に保険料を下げることもできません。精々、損保社が扱い代理店に支払っている手数料部分を安くする程度にすぎませんので、逆に広告宣伝費をかけていますので、損保会社の半額みたいなことも出来ない訳です。

この点、損保社は考えていて、東京海上のイーデザイン損保社など子会社を作って通販型に流れる自動車保険を吸い上げていますので、単に損保社からすると「通販型も募集チャネルの一つ」くらいにしかとらえていないと思います。
しかも、自動運転レベル5登場で自動車保険の6割がなくなると言われている訳ですから、自動車保険から火災保険等に商品シフトしないと通販型保険会社は生き残っていけませんよね。

通販型自動車保険は火災保険、傷害保険、賠償責任保険等々の自動車保険以外でこそ伸びしろがあると思いますが、如何でしょうか。あるいは保険代理店で一物二価で扱わせるかのどちらかでないと、これ以上のシェア拡大はないと思いますね。

アバターに傷害保険を加入できる日が近づいている?

  • 2022/08/02
  • Dr.ウエノの保険コラム

ジェーシービー(JCB)は10月から法人向けのクレジットカードにサイバー保険を無償で付帯させることが報じられました。

主にサイバー攻撃対策が進んでいない中小企業やスタートアップ向けを想定し、すでに発行済みの法人カードには自動で機能を付けるそうです。法人カードを導入する企業には、日頃のサイバー攻撃対策やウイルス感染の初期対応について、サイバーセキュリティーの専門家が無料で助言し、専門事業者も紹介するとしています。

クレジットカードには海外旅行傷害保険が付帯されていることは良く知られていますが、「法人カードにサイバー保険付帯」はなかなか斬新ですね。保険料はJCB負担で東京海上社が引き受けるそうです。

政府は企業にサイバーセキュリティー対策強化を注意喚起していますが、日本損害保険協会によると、中小企業のサイバー保険の加入率は2021年で1割未満と対策が進んでいない実態があります。さすがに法人カードはどこの中小企業でも使っていますから、ここにサイバー保険が付帯されると面白いですね。サイバーセキュリティー対策についての無料相談が活用されることでサイバー対策強化につながると思います。カードのランクによって補修額は変わるそうですが、今「旬」なサイバー保険の新しい活用方法かと思います。

また、三井住友海上社が非代替性トークン(NFT)のアート作品向けの専用保険を開発したことも報じられていました。第1弾としてNFTの流通市場を手がけるHARTi(ハーティ、東京・千代田)に提供を始めたそうです。

不正アクセスによる作品の盗難に際し、出品者に保険金を払うという商品で、同様の保険が普及すれば、NFTアートの市場拡大にも弾みがつく可能性があると報じていました。NFTはブロックチェーン(分散型台帳)技術を使うことで、デジタルデータを偽造不可能な鑑定書・所有証明書付きにしたデジタル資産を指しますが、補償額は出品価格を参考に作品ごとに決め、数万円程度を軸に最大50万円まで設定できるそうです。保険料はハーティが負担します。

損害保険は「モノ保険」で、「モノ」があれば保険を付けることができます。最近ではドローン保険や空飛ぶクルマの保険とか月探査機の保険等が話題ではありますが、「モノ」の解釈がデジタル出現で大きく変わろうとしています。
「モノ」の考え方が変われば、損害保険の領域はどこまでも広がっていけると思います。
自動運転の進化で損害保険会社の主力商品である自動車保険は6割がなくなると言われていて、損害保険業界の未来は読めないという声が多いですが、デジタル世界に現れる色々な「モノ」を保険対象にできれば無限に広がるのではないかと思います。

そのうち、アバターに傷害保険を付けたりする時代が来るのでしょうね。


損保は旬な時に旬の保険提案ができます。今なら役員賠償責任保険!

  • 2022/07/25
  • Dr.ウエノの保険コラム

東京電力福島第1原子力発電所事故を巡り、同社の株主らが旧経営陣5人に計22兆円を東電に支払うよう求めた株主代表訴訟の判決で、東京地裁は旧経営陣4人に計13兆3210億円を東電に対して支払うよう命じたことが報じられました。
東京地裁は津波対策を怠ったと判断し、賠償額は、①廃炉にかかる約1兆6150億円、②被災者への損害賠償費用の7兆834億円、③除染などの対策費用の4兆6226億円の3つを合計して算定したそうです。

このニュースで「株主代表訴訟」に焦点が当たりましたので、簡単に説明しましょう。

▼株主代表訴訟 
会社側が役員の法的責任を追及しない場合、株主が代わって訴えを起こす制度。会社法の規定に沿って、株主が損害の回復を求め、会社に賠償をするよう請求することができる。過去の賠償額では旧大和銀行(現りそな銀行)ニューヨーク支店の巨額損失で7億7500万ドル(当時のレートで約830億円)の支払いを命じた大阪地裁判決(大阪高裁で2億5千万円で和解)が最高。

更に、これに対応できる「会社役員賠償責任保険」がクローズアップされました。

▼会社役員賠償責任保険
会社役員賠償責任保険(以下、「D&O 保険」)とは、保険契約者である会社と保険者である保険会社の契約により、被保険者とされている役員等の行為に起因して、保険期間中に被保険者に対して損害賠償請求がなされたことにより、被保険者が被る損害を填補する保険をいいます。経済産業省の2017~18年の調査によると、旧東証1、2部で回答した917社のうち93%が加入しているとされていますが、中小企業までになると加入率は大幅に下がると思います。

引受けに当たっては、保険会社指定フォームでの企業ごとの資料提出が求められ、引受の可否から判断されます。銀行といった金融機関はリスクが高く、基本的に引受謝絶になっていると思いますので、この辺りをしっかり勉強することから始めましょう。

で、折角、話題になっているのですから、この機会を見逃すことなく、フライヤーでも作って、既存法人契約者に投げては如何ですか。
損保はリスクが顕在化した商品にて、話題になった瞬間に動くことで成果につながります。大昔、PL法が施行された時はPL保険を、その年だけで新規5億円ほど取りましたが、損保はそんなもんです。商品の「旬」を見逃すことなく、瞬間瞬間に素早く動くことで、簡単に収保1億円くらいは稼げます。あとは、やるかやらないか、ですね。損保は常にアンテナを張り、動くことが肝要です。自動車保険中心から脱却するためにも、チャレンジしてみては如何ですか。

損保代理店の皆様、保険事務所の看板を「ほけんのマルシェ」に変えましょう

  • 2022/07/19
  • Dr.ウエノの保険コラム

コンビニなどに代表されるフランチャイズチェーン。このビジネスモデルは、本部が、一定のお金を払った加盟店に「共通の店名やロゴなどの使用」を認め、どの店でも「同じサービスや商品を販売」し、「経営ノウハウを提供」するというものですが、いま飲食業界では、フランチャイズの一般的な要件をあえて緩めることで、フランチャイズ店でありながら個性を打ち出そうという動きが広がっています。

テイクアウトの海鮮丼を主力商品とするチェーン店は全国で約380のフランチャイズ店を展開しています。東京・江東区にある店の名前は「丼丸」。一方、福島県郡山市にあるフランチャイズ店の名前は「丼マルシェ」。同じチェーンでも名前が違います。このフランチャイズ店の本部は、海鮮丼さえ提供すれば、店の名前はオーナーの自由だとしています。
更に、この運営会社では、店名だけでなく販売する商品もオーナーの自由にしました。例えば福島のフランチャイズ店では2月から、海鮮丼に加えてコッペパンも売り始めました。
店のオーナーさんは、近隣にコッペパンの専門店がなかったことに目をつけたそうです。他のフランチャイズ店では、焼き鳥や、から揚げ、そばを販売するところもあり、売り上げが拡大しているといいます。海鮮丼とチェーン運営会社社長は「時代の変化はわれわれの想像する以上に速い。(経営を)自由にやって結果を出してもらえればいい」とコメントされていました。

また、神奈川県伊勢原市にあるラーメンのフランチャイズ店は、現在22あるフランチャイズ店に対し、ラーメンの味を守れば店名は自由とし、営業時間や店舗のデザインもオーナーに委ねました。運営会社は「(営業時間などを)一括にするとフランチャイズ店のほうもかなり負担がかかると思うし、その店の特徴をいかに出すか、地域の方に愛されるかが、いちばん大事」とし、更に飲食業界の人手不足が課題になる中、深夜労働をなくし休日も確保することで、従業員が働きやすい店舗を目指そうとしています。

このビジネスモデルは、本店の知名度を生かせないことや、独自の店舗運営でお客を集められなければオーナーの自己責任になるといったリスクもありますが、一方でオーナーの個性や力量によるところも大きく、やりがいにつながりそうでだと報じていました。

我々の業界にも保険ショップはあり、大手はFCで加盟金と毎月のロイヤリティを取られますし、店舗新設する場合にはコストもかかります。保険ショップもフランチャイザー、フランチャイジーとの契約になりますので、諸々制約がありますが、こうした中、新しい取り組みを展開しているのが「ほけんのマルシェ」です。「花キューピット」のような所謂ボランタリーチェーンで、「当面の間は」ロイヤリティとかは取りません。単純に看板を統一してブランドを作ることを目的に立ち上げられています。

そのため現在、〇〇保険事務所といった看板を「ほけんのマルシェ」に変える損保代理店が増えています。看板を変えるだけでお客様は「保険ショップを始めた」と勝手に思っていただけて、生保相談につながります。
損保代理店の統廃合が進んで来ましたが、1代理店10億円にしなくても、生命保険の手数料で2000万円くらいコンスタントに取っていれば生き残れますので、生保を頑張ってみたいという損保代理店には絶好のアイテムかと思います。

看板を変える、名刺を変えることで少しお金がかかりますが、「ほけんのマルシェ」の統一ブランドで集客等につながります。「ほけんのマルシェ」、関心を持たれた方は是非ご一報下さい。まずは100店舗を目指していきたいと思います。