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ついにプラスチック削減で保険料割引きが登場

  • 2022/03/28
  • Dr.ウエノの保険コラム

三井住友海上社とあいおいニッセイ同和損保社は、プラスチックの使用量を減らした製品などを設計する企業を対象に、第三者への損害を補償する賠償責任保険の保険料を約5%割り引くことが報じられました。4月に施行される「プラスチック資源循環法」に合わせての保険となります。なかなかの反応なのでブログに紹介してみます。

この割引制度は、『中小企業や建設業向けの賠償責任保険』で始めるとしていて、減量化や包装の簡素化などにより、従来に比べてプラスチックの使用量を減らした場合、国から認定を得られる見通しであるため、この認定を得た製造企業について、保険料を引き下げるというものになります。認定制度を個別商品の保険料に反映するという発想が良いですね。
環境負荷の低い企業は製品などの損害が発生するリスクは低いとみて、優遇措置で囲い込む狙いがあると報じていました。

プラスチック削減についてはコンビニの色々な取組が紹介されて来ましたが、保険料にも及ぶというのは、保険会社もプラスチック削減を支援していることが明確化できて大変良い展開だと思います。

法律が変わったという点では、他に食品衛生法が変わりました。「HACCP」という国際的な食品衛生管理基準が日本国内でも2021年6月から義務化されています。
食品衛生法ですので、食品メーカーや食品工場、レストランや居酒屋、小規模な食堂なども対象となります。
 HACCPでは、お客様が食べるまでにどんなリスクがあるかを探して、食中毒や調理時の異物混入などのリスクを最小限にするため、毎日管理・記録することが求められています。
具体的には、食中毒をなくすため、お店のルールを見える化して、「衛生管理の方法(一般衛生管理)」と「調理工程などにおける温度管理の徹底(重要管理点)」を計画・実行、記録管理することが求められています。
一般衛生管理と重要管理点(メニューごと)において、計画書と実施記録を残したり、従業員への教育も求められますが、これらを楽天の「あんしんHACCP」というサイトを使って管理すると便利です。

HACCPから入ると飲食店等々のPL保険から火災保険等々につながりますよね。
法律が変わるときに保険も必要に応じて変化していきます。

チャンスは目の前にいくらでも転がっています。気づくか気づかないか、取り組むか取り組まないかで大きく変わって来ます。とは言え保険代理店一人ではなかなかできないので、仲間を作っておくとやれる感じがしますよね。生き残るためには仲間づくりが必須です。仲間を作るには、保険代理店のあなたが主軸となって勉強会でも開催されては如何でしょうか。そのくらいのお声掛けはできると思います。今、旬な「生命保険協会が作成した業務品質項目について」を主テーマに、目の前に転がっているチャンスを一緒に拾っていこうという勉強会を開催されては如何でしょうか。

仲間づくりの一歩を踏み出しては如何でしょうか。

ロシアの保険事情が一変 日系企業は撤退を余儀なくされるかも

  • 2022/03/22
  • Dr.ウエノの保険コラム

日本の損害保険各社がロシア向けの保険契約を停止する検討に入ることが報じられました。

欧州保険最大手の独アリアンツがロシア関連の新規契約を止めることが要因と報じていました。日本の損害保険各社はロシアに現地法人を持っておらず、アリアンツなどから再保険を引き受ける形で日系企業に保険を提供していますが、アリアンツは保険種目を限定せず、建物の損害を補償する火災保険や事故などに起因した操業停止による減益を補償する利益保険などすべての保険商品について新規契約を見合わせるとし、また工場建設などを対象にした工事保険、従業員のけがや病気に備える労災保険も止めると表明したため、再保険の入口が消滅し、結果、日本の損害保険各社はロシア向けの保険契約停止を検討せざるを得なくなった訳です。

東京海上社や損保ジャパン社はロシアではアリアンツと提携し、日系企業向けの火災保険など各種再保険を引き受けてきており、保険提供先には日系の自動車メーカーなどが含まれるとみられるそうです。また、新規契約の停止に伴い、既存契約も更新できなくなる恐れがあり、仮に日系を含めた各国企業のロシアでの事業が無保険となれば、撤退を余儀なくされる可能性があると報じていました。

では、アリアンツでなくロシアの保険会社と契約して再保険という手が考えられますが、現地報道によるとロシア政府はロシアの保険会社に対して米欧日など「非友好国」の保険会社や再保険会社、保険仲介会社との取引を禁止するとしたそうで、手の打ちようがないという状況ですね。

世界の再保険市場がロシア関連の保険の引き受けに慎重になっていることも追い打ちをかけているそうで、世界最大の再保険市場・英ロイズ保険組合がロシア事業の保険引き受けに慎重になっている他、独ミュンヘン再保険がロシアからの撤退を発表し、混迷を極めています。

財務省によると、2020年の日本の対ロシア直接投資額は前年比15%増の523億円。ロシア極東サハリンでの資源開発事業「サハリン2」など国策に関わる投資にも一部、民間保険がかかっているとされているそうです。

海外でのリスクの転嫁に損害保険は必須です。海外では保険会社営業権が持てない日本の損害保険会社は全世界に駐在所を置き、ここから「再保険」という形で保険引き受けして来ましたが、保険の入口がなくなればどうしようもなく、リスクを転嫁できなければ撤退という結論になりますね。ニューヨークの同時多発テロ事件では再保険が世界中を駆け回り、日本の損害保険会社が破綻しました。損保は世界中を駆け回りますが、再保険の手当を間違えると破綻につながる強烈なリスクを常に抱えています。
こうした意味でも損保は面白いですよね。

選択と集中の時代

  • 2022/03/14
  • Dr.ウエノの保険コラム

メニューは山盛りの“野菜炒め”1本勝負。去年12月、こんな異色の飲食店が、東京・渋谷の繁華街の一角にオープンしたことがメディアで報じられていました。

選択と集中の時代とは言え、店のメニューは、なんと“野菜炒め”1本勝負。野菜の量は普通盛りでも400グラムあり、成人の1日の野菜摂取目標量の350グラムを上回る十分な量の野菜を食べることができるそうです。味付けは、しょうゆ・ポン酢・みその3種類ですが、テーブルにはカレー粉や、とうがらしとニンニクを混ぜた調味料もあり“味変”が可能。リピーターも飽きさせず、野菜をより多く食べてもらうことに徹底的にこだわっているそうです。当該店舗は『肉が食べたい』『魚が食べたい』という層向けのお店はたくさんありますが、『野菜を食べたい』というときに、どこに行こうかというと思い浮かびにくく、しかし『野菜を食べたい』という層は確実にいると思うので、この店が1つのカテゴリーになればいいと思っています」と取材に答えていました。確かに真理かもしれません。

驚くのは、当該店舗を運営しているのは、首都圏を中心とした居酒屋などの飲食店に野菜を卸している業務用の野菜の卸売会社だということです。
コロナ禍の影響が長期化し、逆風が吹き止まない状況にある外食業界ですが、当該店舗を運営しているような野菜の卸売業者も同様です。しかも、会社が扱う野菜は、全国の契約農家で数か月前から作付けされているため、飲食店からの注文が減っても、急に出荷を止めることはできません。このため、農家の人たちが丹精込めて育てた野菜も、卸し先がなければ倉庫に留め置かれ、廃棄につながる可能性も出てきてしまうのです。

コロナ禍で行き場をなくした“野菜”と“消費者”をつなぐにはどうしたらいいのか?そこで「野菜炒め専門店」というところにたどり着いたそうです。ドライブスルー八百屋のようなサービスもされたそうですが、“コロナの状態だから消費者に受ける”もので“コロナだからできる”ことだけではなく、これからは“コロナ後も続く継続性の高い業態”を取組む必要があるとしてスタートされたそうです。この発想が素晴らしいですね。確かに、外食の需要は、大人数での「だんらん」や「交友」の場から「少人数でおいしいものを食べられる場所」「手軽にテイクアウトできる場所」に変わってきていると思いますね。

オープンした店は、テーブル席ではなくカウンター席がメイン。いわゆる「お一人様」需要を取り込み、コロナ禍でも来店しやすい店構えにし、ここでも工夫されています。結果、店で消費する野菜は1日あたり200キロで、この消費量は、同じ規模の飲食店の10軒分に相当するとのことです。

こんな展開、個人的に大好きなので取り上げてみました。
選択と集中、これを保険代理店に当てはめるなら、いつまでも●●保険事務所的旧態依然の代理店名とか看板とかは変えて、せめて医療保険専門代理店とかがん保険専門代理店とかに変えたら良いと思います。損保代理店でも第三分野はニーズが明確なので対応できると思いますし、コロナ禍で毎日これだけ多くの方がコロナ陽性になっていますので、コロナ対応医療保険とかを全面に出せば既存顧客すら来ない損保代理店事務所に人が来るかもしれません。

選択と集中の時代、保険代理店も色々考えて実行してみては如何ですか。やってみることで見える景色があると思います。やらないといつもの景色しか見れないですよ。

進む、自動車保険の無人化

  • 2022/03/08
  • Dr.ウエノの保険コラム

単独の自動車事故は、人を介さずに保険金をお支払い――。
東京海上社は2月15日から、自動車保険の保険金請求手続きに人の手を介さず、完全自動化する損保業界初のシステムを稼働させることが報じられました。

自動化の対象となる事故は、車が電柱や壁にぶつかるなどの定型的な車両単独事故で、スマホやパソコンからWebで事故の報告を受け付けて、その後の保険金を支払うまでの全プロセスをシステムが自動化対応するそうです。

これまで事故の受け付けをしてから保険金支払い手続きの完了まで2~3週間かかっていましたが、このシステムを使えば、数日へ大幅に短縮されることになります。東京海上日動では「将来的には最短30分で手続きが完了できるようにシステムを高度化させたい」としているそうです。

東京海上社が1年間に受け付ける自動車事故は、約260万件にのぼり(2020年度実績)、約6000人が自動車保険の保険金支払い業務に携わっているそうです。これまでは、事故に遭った契約者が同社の事故受付センターなどに電話やWeb経由で報告し、その後、東京海上日動の担当者が電話で、事故の確認や今後の手続きの流れなどを案内していて、また支払われる保険金の算出や保険金の支払手続きなどの業務があり、すべて人が行っていました。ただ、車両の単独事故の場合で支払い保険金額の確定が容易な事故も一定数あり、東京海上日動の場合、約260万件の事故総数のうち定型的な単独事故は約37万件を占めており、このうち約8割の30万件は人を介さず、自動化対応することが可能としています。同社が2月から稼働させる新しいシステムでは、約37万件の定型的な単独事故のうち、まずはレッカーやレンタカーなどの費用が発生せず、支払いが修理費のみの事故約5万件(2020年度実績)を、事前に設定したルールに基づいて自動的に抽出し、無人化対応するとしています。

契約者からの事故の連絡や事故状況の確認、車の損傷箇所、警察への届け出の有無などは、スマホのアプリやパソコンを使って報告してもらい、ケガの状況の確認や今後の方針などのほか、支払い保険金の案内や手続きなどは無人化するそうです。

保険金支払いの自動化システムの導入は欧米の損保会社が先行していて、アメリカの自動車保険会社「メトロマイル」は、データ分析技術やAI(人工知能)を駆使し自動車事故の受け付けから保険金支払いまでを完全自動化しているそうです。東京海上社の今回のシステムでも、事故のWeb受付やAIを活用した不正請求の検知などについて、メトロマイルの技術やノウハウを取り入れているそうです。

ただ、ネットで保険加入手続きができるダイレクト系損保会社であっても、事故対応は人が介在するのが一般的で、契約者側からしても万が一の時だからこそ人による丁寧で温かみのある対応を望む声は根強いと思われます。

損保業界で前例がない完全自動化対応が浸透するか、その鍵は人を介したサービスを上回る「顧客体験(CX)」を提供できるかにかかっていると報じていました。

東京海上社は既に満期はがきのQRコードから自動車保険更改手続きを完了できるようにしてありますので、これで事故対応も無人化となると自動車保険については保険代理店はいらないという方向ですね。

御用聞きニーズが高まっています

  • 2022/02/28
  • Dr.ウエノの保険コラム

「クイックコマース」=「速い・商取引」。コロナ禍で在宅時間が増え、ネット通販やネットスーパーを利用する人が増える中、「注文当日の配達ですら待てない、今すぐ届けてほしい」という消費者のニーズを見いだし、クイックコマースに参入する企業が増えていることが報じられていました。

東京都内のベンチャー企業「OniGO」が運営する目黒区にあるクイックコマースの拠点には、生鮮食料品や日用品など約1600種類の商品がそろえられていて、お客様からアプリで注文を受けると、すぐに商品を集めて自転車で配達。拠点から半径約1.5キロの地域を対象に、指定された場所へ10分で届けるとしています。配達手数料は1回300円です。

『重いものでも、雨の日でも、今欲しいものがすぐに届く』ことからリピーターが徐々に増えているそうです。
利用客の1人は「ちょうど足りなくなったトイレットペーパーと、お米5キロを頼んだ」そうで「ちょっと外に出たくないなという時にもすぐに持ってきてもらえるので助かる」と話していました。

会社ではお客様の声をアプリのチャットで集め、品ぞろえの要望などにも迅速に対応していて、食洗機専用洗剤の取扱いがないとの要望を受け、拠点に置くようにしたそうです。
最近メディアで良く拝見する梅下直也社長は「昔『御用聞き』が各家庭を回っていったような、地域にとって『いるだけでプラスだよね』という、そういった存在を目指していく」と話していました。

更に、「速さ」に「新鮮さ」をプラスしてクイックコマースに参入した企業もあります。
それは、21年12月に福岡にオープンした店で、棚に水耕栽培の野菜が並んでいて、光や温度などを24時間管理しながら8種類の葉物野菜を無農薬で育てています。ネットで注文が入ると、必要な分だけ野菜を収穫し、店から半径約5キロの範囲を対象に30分ほどで受け取れるように配達しているそうです。この店を運営する「GG.SUPPLY」の國村隼太社長は「都会に畑を持ってきてデリバリーするので、いちばん新鮮」とメディアの取材に話していました。小売店で買うより割高ですが、遠くの産地から輸送するよりも二酸化炭素の排出を抑えられることに共感した消費者の注文も増えているそうです。このあたりの感覚が昔にはなかったものですよね。

國村社長は「われわれは『地産地消』を超えた『近所産近所消』と呼んでいる。これを日本だけでなく世界のベーシックにしたい」とメディアの取材で話していました。

「すぐに届けてほしい」というニーズは一定数あるとみられ、ネット通販大手やコンビニ大手もこの分野に参入し、競争が始まっています。
半径数キロという限られたエリアを配達して回るこのビジネスは、昔ながらの街の小売店の商売とも重なります。地域密着でお得意さんをどれだけ増やせるかが、今後のカギになりそうですと報じていましたが、これって地域密着の損保代理店さんは同様なことをされているように思います。「何かあったら駆けつける」というサービスがお客様に受け入れられて地方の代理店は成り立っていると思います。

保険だけでなく、生活すべての面での御用聞き的存在になることを改めて目指してみるもの良いと思います。昔から株式会社御用聞き社と付き合っていますので既にノウハウも自治体とのパイプもある程度構築されています。
再度、株式会社御用聞き社との取り組み強化を図ろうと動いていますので、関心ある方は一報下さい。