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落日のGNP営業

  • 2020/07/20
  • Dr.ウエノの保険コラム
新型コロナ対策で人と直接会えなくなった保険業界を鑑みて「落日のGNP営業」というテーマで新聞記事になっていました。

新型コロナ対策でお客様と会えなくなり、保険会社各社がオンラインでの保険募集を容認したことから、従来の保険募集の形が大きく変わるということで、こうした表現で記事が掲載されていました。

「保険募集のGNP」と言われても、若干「死語化」している感も否めませんが、そもそも若い方はこのワードをご存知でしょうか。
「G : 義理」、「N : 人情」、「P :プレゼント」を指し、義理と人情とプレゼントが「保険営業のスタイル」と言われて来ました。
かんぽ生命の販売手法が問題視されている郵便局の保険販売の根幹も、日ごろ何かと世話になっているので、勧められた保険に入るという「義理」があると思います。

昔の保険営業は個人情報保護法がありませんでしたので、日々、職場に生保レディーが来て保険の提案をされ、今日も来たわよというメッセージを込めて机の上に飴という「プレゼント」がおいてあり、ほぼ根負けして、ふと「人情」が湧いて、内容もわからないまま毎月の支払額だけを基準に加入していたという方が多かったと思います。生命保険の加入率が90%程度あるのに保険は嫌いという方が多いですが、こうした営業スタイルが嫌われて保険は嫌いにつながっていたと思います。

日本的な営業手法で嫌いではありませんが、義理も人情もすたれた世の中では、もともとGNPによる保険営業は既になくなったように感じます。「G : ゴルフ」「N : 飲み会」「P : プリティガール」が法人経営者の攻略法と豪語していた募集人もいましたし、客員講師をしている中央大学の学生に保険募集のGNPは何だと思うと聞いたら、「G」はGoogle、「N」はネットワーク、「P」はポイントといった回答もあり時代を感じました。

「コンビニでも保険販売」の時代ですから、人と如何に接触するかで、保険募集手法は変化していきますよね。

来年には、「金融サービス仲介業」が登場します。
家計簿アプリを使っていたら最適な保険の提案がプッシュ通知で送られて来たりする時代が近づいています。ついには、そもそも募集人もいらない時代が来ようとしています。某損保会社では「一つの県に一つの代理店」で十分として統廃合を推進していますが、人と会わなくて保険募集ができる流れができれば、最終的にはここに行きつくと思います。

代理店の手数料が下がる一方の中、現在保有している顧客情報の質と量を如何に高めていくかを追求し、保険代理店業からの変態を今こそ考えないと3年後に未来はないと思いますね。