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保険代理店の皆様も中長期経営計画たてられていますか

  • 2021/03/30
  • Dr.ウエノの保険コラム
日本生命は「お客さま数拡大を通じた生産の早期回復・向上」「収益力・健全性の向上」を目標に掲げた2021―23年度「中期経営計画」をまとめたことが報じられました。
 
現在の中期経営計画は豪州の生保子会社MLCの業績悪化や金利低下を受け、収益拡大の面では一定の課題を残した形となったことも総括し、改めて収益拡大には「顧客数増加」が欠かせないとみて、少額短期保険会社新設に向け準備会社を設立し、アプローチが不十分と認識する「若年層」や「女性」を主な顧客層に想定した生損保の商品を機動的に提供することで顧客数拡大を図るとしています。またグループ一体経営による市場開拓を念頭に、「少額短期保険会社を顧客接点」としたグループシナジーの発揮に注力するとしています。
こうした新規取り組みなどで、顧客数を2023年度末に2020年度見込みか約44万人増の1490万人に増やして収益を伸ばすと計画しています。
 
機関投資家としての立ち位置にも重きを置き、国のグリーン成長戦略に足並みを合わせ、2050年の二酸化炭素(CO2)排出量ネットゼロなどに取り組むことも示しました。2020年12月末時点で実績9000億円のESG(環境・社会・企業統治)投融資を2023年度までに1兆5000億円まで拡大、4月からは投融資する全資産にESG評価を取り入れ、「持続的社会の形成や中長期的な運用収益獲得の観点でもESG投融資は重要」と見ているそうです。
 
保険会社が中期的な経営目標を掲げるのは当たり前だと思いますが、保険代理店も代理店事業を経営しているのである以上、「経営計画」は必要ですよね。保険代理店の皆様、作成されていますか。
保険代理店にも「短期経営計画」と「中期経営計画」の作成が必要で、今後は保険会社からこれらの提示を求めれたら提示できて、しかも計画に対しての現状を報告できるところまでしないといけません。そもそも計画なしでは何もできませんよね。経営ですから収益の目標も必要ですが、態勢整備についての計画も必要となります。非対面型の保険募集体制を例えば半年後に構築するという計画を立てれば、これから半年間のタイムスケジュールを決めて取り組む必要がありますよね。また、例えば個人情報保護のためにプライバシーマークを1年半後には取得しようと計画を立てれば、まずはプライバシーマークについての勉強会に参加し、それを自身の保険代理店に当てはめ整備していき、何をいつまでにやるかを決めてスケジュールを作り、どこのプライバシーマーク認証業者を使うかも決めて実際に検査やヒヤリングを受けて認証を取るまでの計画が必要になりますよね。募集人の教育についても年間計画を立てて、募集人をどう育てていくのかを明確にして内容を常に陳腐化しないようにチェックすることも必要です。
また、地方の代理店はその地域の創生のために何ができるか、地域の住民に対して保険は勿論金融全般のリテラシーを高めるために何ができるか、今話題のSDGsに如何に取り組むべきか等々も経営理念の一つして取り組む必要があると思います。

こうした内容を網羅して中期計画は3年のイメージで作って下さい。短期計画は3年間の中期計画を達成させるための3ヶ月ごとの計画というイメージで作成されたら良いと思います。コロナ禍で未来が不透明なので短期計画は3ヶ月くらいで策定してフレキシブルに変更できるようにした方が良いと思います。

ご存知のように生命保険協会の「代理店業務品質のあり方等に関するスタディーグループ」で議論されている内容に、この短期・中期計画の立案は明記されています。
ちょうど4月で年度も変わるので、このタイミングでまずは中期経営計画を策定してみましょう!