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益々厳しくなる銀行窓販

  • 2022/01/24
  • ネクタイ派手夫の保険流通革命メルマガ
金融庁は1月18日、米ドルなどで運用する外貨建て保険の実態を見えやすくするため、比較可能な共通指標を導入すると発表したことが報じられました。

2022年春以降、販売金融機関に対し商品の運用状況を開示するよう求めるとしていて、また、顧客が自分にあった商品を選べるよう各社の業務運営を客観的に評価できる仕組みを整えるとしています。

導入するのは「共通KPI(重要業績評価指標)」と呼ばれる指標になります。

そもそもKPIって何でしたでしょうか。
KPIは「Key Performance Indicator」のことで、訳すと「重要業績評価指標」となります。
保険会社が保険代理店の業務品質項目の一つとしてとらえていますので、保険代理店の皆様はご理解されているとは思いますが、念のため、用語解説をしておきましょう。
KPIとは、組織の目標を達成するための重要な業績評価の指標を意味し、達成状況を定点観測することで、目標達成に向けた組織のパフォーマンスの動向を把握できるようになります。仮に、目標値からギャップが生まれた場合には、組織行動が当初想定の方向に向かっていないことを意味し、活動の修正が必要となります。

今回は、運用実績の高い商品をどの程度顧客に提供できているか、保険会社が販売代理店に支払う手数料に対して顧客がいくらリターンを得たかの2つを開示するよう求めるとしています。
対象は地銀など外貨建て保険を販売する数十社以上の金融機関となるそうです。
外貨建て保険は海外の金利が日本より相対的に高ければ、投資信託と同様に資産運用の効果が大きくなる一方、銀行預金のような元本保証はなく、為替変動などのリスクもはらみます。
共通KPIの導入は金融機関による「顧客本位の業務運営」を進めることが目的で、金融庁は今後、共通KPIの分析を含めたさらなる「見える化」も検討するとしています。

こうした中、第一生命が銀行代理店業に参入するというニュースが流れて来ました。2020年度に第一生命が支払った死亡保険金や入院給付金は1兆5000億円弱になります。この額を第一生命としては顧客の指定口座に振り込む訳ですが、この振込情報をキャッチした銀行が保険金の回収に保険提案で動き出すという回転だったものを、第一生命自体が銀行代理業を展開することで、この流れを自社に回すことができますね。結果、保険金運用での顧客争奪戦となる訳ですが、銀行に保険販売時に課せられる規制が厳しくなると、この流れを止められないと思いますね。銀行窓販はどんどん難しくなりますね。そもそも保険販売チャネルとしては不適当だと思っていますが。