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車中泊を楽しみ空き家対策と観光で自治体を支える取組が紹介されていました

  • 2022/04/04
  • Dr.ウエノの保険コラム
日産自動車は茨城県高萩市と「車中泊体験の実証実験に関する協定」を締結したことがメディアで報じられていました。本協定は、宿泊施設の不足や交流人口の減少など観光事業の活性化に課題を持つ高萩市に、日産自動車が日産キャラバンを提供し、車中泊をベースとした市内観光プランの実証実験を行うもので、ここに自治体で問題となっている「空き家」対策が絡んでいくということで興味深く、紹介したいと思います。
 
茨城県高萩市は、海・山両方の環境と美しい景観を楽しむことのできる地形となっており、豊富な自然を活かし、「アウトドアのまち高萩」として、令和元年7月に茨城県最大となる小山ダムの湖面を活用して、カヌーやボートクルーズなどのアクティビティ体験や、自然に囲まれたロケーションの中でグランピングが楽しめる施設「ストームフィールドガイドはぎビレッジ店」をオープンするなど、雄大な自然の中でアウトドアが楽しめるまちとして認知拡大を図っている自治体です。

一方、日産自動車が展開する日産キャラバンは、コロナ禍でアウトドア需要の拡大により、商用だけでなくプライベートユースも好調に推移しており、昨年12月には、〝キャラバンで遊びのプロを目指す〟をテーマにした体験型イベントを高萩市協力のもと、同市内の施設や自然を利用して実施。コロナ禍を経て新たなライフスタイル・宿泊手段として注目を集めている車中泊を新たな観光産業の手段として活用することで地域の観光課題を解決する新たな観光プランの創出ができると考え、今回の提携に至ったものです。利用者から車購入につながることもありますので、日産自動車としては絶好のPRになりますよね。

今回の実証実験では、期間中にJR高萩駅前に車中泊仕様の「日産キャラバン マルチベッド」を常設し、実験参加者として申込みいただいた方へ貸出し、宿泊は市内各地の観光名所や、利活用の課題を抱える空き家、公共施設を車中泊スポットとして設定。参加者はその中から好みのスポットを選び、車中泊をするというものになります。

車中泊をする際にポイントになるのがトイレや水道、電気などのインフラ設備になりますが、空き家、公共施設などと組み合わせることで、多くの地方自治体が抱える、公共施設の利活用、空き家に関する課題解決にもつながるとしています。クルマの中はプライベート空間として使いながら、空き家や公共施設の設備を利用して快適な車中泊を楽しめるという座組みは大変面白いと思いました。

都内でも空き家問題が自治体の課題ですが地方に行けばより深刻です。最近はテレワーク等で地方に住んで仕事をするという方も増えて来ましたが、根本的な解決には程遠いので、こうした観光、非日常の車中泊を絡ませたやり方は興味深いと思います。

北海道から沖縄までの全国各地の保険代理店の集合体である結心会では、地方を元気にハッピーにするための「ローカルSDGsサポーター俱楽部」を作って、町興しに保険代理店として何かできないかを模索しています。保険代理店には各地のカーディーラー、整備工場さんもあります。日産のようなメーカーでなくてもカーディーラーで車を提供できれば、同様のことはできるかと思います。

町の活性化と空き家対策に役立つ車中泊を皆さんのお住まいの自治体に提案してみませんか。自治体はこうした実例があると取り組んでくれますので、茨城県高萩市のニュースを持って自治体に提案してみて下さい。保険代理店としてもできる取組かと思いますよ。