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高齢者に車を売らない販売店

  • 2022/05/30
  • Dr.ウエノの保険コラム
5月から高齢者の事故対策として「実車試験制度」が始まりましたが、高齢者が自主的に運転免許を返納する動きも広がっているそうです。この免許返納を新たなビジネスにつなげる取り組みが報じられていました。

題して「高齢者に車を売らない販売店」で、自動車販売店が高齢者に対し「電動車いす」を販売していることが紹介されていました。販売しているカーディーラーは、運転免許を返納した後に移動をどうしようかというところで、気軽に乗ってもらえる「ちょい乗り」として
シニア世代の顧客に向け運転免許返納後の交通手段として提案しているとコメントしていました。

去年、免許を自主返納した人の数は50万人ほどに上るそうで、カーディーラーは電動車いすの販売を通じて顧客との関係を維持し、子どもや孫など次の世代の新車購入につなげたいとしています。免許を返納した本人を含めて下の世代の人まで続けていくことが一番の狙いだとしていますが、これも目先の戦術にしか過ぎないと思いますね。

車については若者が興味を持たなくなってきたこと、自動運転化の方が問題は深刻で、更にトヨタが販売するEVは自動車保険も車検も含んだサブスクを使って来ました。近い将来、トヨタが保険会社を作って全国に直資整備工場を作って抱え込みをされれば、全国の自動車販売店、更には整備工場も一掃される感じがしますね。EVに至っては交換する部品もないので車検0円時代が来るとも言われています。その上、半導体不足で新車の納車が遅れていて「車を売っても売っても納車がなくて利益につながらない」という深刻な事態に直面しています。だから、やれることは何でもやる必要があり、電動車いすも対策のその一つに過ぎないと思います。

整備工場さんのPLやBSには出ないですが最も大切な無形資産は顧客データです。現在、一般社団法人保険健全化推進機構結心会では「モーター部会」を作って全国の整備工場さんを会員とし生命保険の募集に注力しています。全国各地の生命保険のプロ代理店と提携いただき、車検や自動車保険満期時等々に家計見直しの声掛けをしていただき、生保プロ代理店が相談に乗らせていただき、成約になった場合は共同募集するというスキームになります。車検と点検等々で例えば毎月1000人のお客様が来店されるのであれば一定数は契約になると思いませんか。生保の手数料で目先の利益を確保しつつ、ポイントは生保相談時に色々な情報をお客様から入手できますので、この情報を活用して車以外のモノやサービスの案内ができるようになるということです。車のことでしか会ってなければ話題は車に限定されますが、生保相談で入手した奥様やお子様情報、趣味だったり、子ども達の夢だったりを知ることで色々なことが仕事につながっていきます。

この「個人情報の深掘り」が主目的として全国各地の整備工場さんと一緒に取り組むことで北海道から沖縄までの膨大な個人情報が集まれば、情報銀行して業態を変えることもできる訳です。日本の自動車保有台数は約8000万台でこれを約9万店の整備工場さんで車検している訳ですので、僅か9万店の整備工場さんに多くの個人情報リストが存在することになります。「車検という国の制度」の賜物ですが、理解している方は少ないと思います。これを活かさない手はないと思います。

しかも、統一屋号『ほけんのマルシェ』を使います。道路を走っていると「車検」といった看板を良く目にしますが、同じ場所に『ほけんのマルシェ』の看板があれば自然と記憶に残っていきますよね。更に、○○損害保険事務所という損保代理店さんにも『ほけんのマルシェ』を使っていただいています。○○損害保険事務所の看板で新規顧客が突然事務所に来店されることはありませんが、保険ショップ的看板があれば、来店されるお客様は確実にありますし、既存顧客も保険ショップを始めたのかということで生保相談に来られると思います。

全国の損保代理店の皆様が『ほけんのマルシェ』に参画いただき、全国の整備工場さんが生保に取り組んでいただければと考えています。先が見えない今は「動くこと」が求められています。最初の半歩を歩みだしてみませんか。