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パワハラ保険の加入が急拡大 未然に防ぐ指導も保険会社の役目

  • 2022/06/06
  • Dr.ウエノの保険コラム
中小企業で、職場のパワーハラスメントを巡る訴訟リスクに備えた保険加入が急拡大していると報じられていました。

改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)で今年4月から中小企業に対策が義務づけられ、経営課題としてパワハラ対応の重要性が増していることが背景にあります。

加入が増えているのは「雇用慣行賠償責任保険」。企業がパワハラやセクハラ行為があったとして従業員から訴訟を起こされた場合、敗訴した際の損害賠償や慰謝料、訴訟費用などを補償するもので、保険料は企業規模に応じ年間5万円から数十万円程度となります。東京海上、損保ジャパン、三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保の大手損保4社によると、今年3月末時点の契約件数の合計は4年前に比べて倍増し、約9万件だったそうです。

パワハラ防止法は2020年6月に施行され、当初は大企業のみが義務化の対象で、中小企業は努力義務とされてきましたが、今年4月以降、中小企業も違反した場合は厚生労働省の指導や勧告の対象となり、対応が不十分な場合に従業員から訴えられる可能性も高まっています。中小企業では繁忙期に労働環境が厳しくなることも多く、経営側が留意していても、従業員側がパワハラと受け止めるケースがあり、訴訟に備えた保険のニーズがあるといわれています。

保険加入とともに対応策の助言を求める中小企業が多いそうで、損保会社は補償だけでなくセミナーなどを通じたハラスメント防止策の指南も行っています。中小企業からも「管理職中心に日頃からハラスメントの注意喚起を行っているが、従業員の意識には差があり、完璧な対策を維持するのは難しい」との声が上がっているようで、万が一に備えて保険加入すると同時に、万が一がないよう保険会社に指導を求めるところが増え、結果、保険加入が急拡大している訳です。保険会社では万が一記者会見になった場合の対応の仕方まで指南してくれますので、そうしたことまで考えると保険料は安いと思います。損保会社も保険金を支払わなくてすめば良い訳で、積極的に防止に向けた指導をしてくれます。

昔は運送会社も自動車事故が多かったので、保険会社の安全運転指導は頻繁に開催されていました。Dr.ウエノも損保会社勤務時は毎月運送会社に行って全運転手向けに安全運転指導を1時間位やって、続いてこの1ヶ月間で事故を起こした運転手だけを残して更に1時間の指導をするといったこともやっていましたが、意外とこれで事故は減るんですよね。事故をした運転手は2時間も安全運転講習を受けないといけないので、それが嫌で安全運転を心がけるようになるのです。昔、昔、あるピザ宅配業者で事故多発者を集めて安全運転講習をやっていましたが、仕事が終わってなので午前1時くらいからスタートして、立たせたままやるという今だと完全にパワハラで訴えられるような安全運転講習会をやっていましたが、これでピザ屋さんのフリート契約がデメリット料率から優良割引になるのですから、効果はあった訳ですよね。

企業では取引信用保証保険に加入されているケースも多いですが、この場合は、保険会社が取引先企業を調査して保険料を試算してくれますので、無料で取引先企業の信用調査が出来て重宝されています。

損保の場合、保険加入すると、事故を未然に防ぐための指導もしてくれますので、是非、保険加入して、損保会社の力を借りて、リスクマネジメント強化を図られたら良いと思います。
こんなことを鑑みると損保の保険料って安いと思われませんか。