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テスラ保険

  • 2022/08/29
  • Dr.ウエノの保険コラム
「テスラ保険」をご存知でしょうか。
あの米Tesla(テスラ)社が展開している保険になります。

「今後、自動車事業のバリューの30~40%が保険事業になる」
米テスラを率いるイーロン・マスクCEOは2020年7~9月期の決算発表の際に、同社の保険事業の重要性をこう言及したことが報じられました。

そして実際、この考え方を反映した新たなタイプの自動車保険「テスラ保険」(TESLA Insurance)を2021年10月からテキサス州の「テスラEV」(モデルS・3・Y・Xの4車種)ドライバー向けに販売を開始しています。

これまでの自動車保険は年齢、運転歴、車種、事故歴などを基準に算定した「等級」(属性情報)で決まっていましたが、「テスラ保険」はドライバーの「等級」は一切利用せずに、その運転行動を数値化・見える化した「安全運転スコア(セーフティスコア)」をベースに月々の保険料を算定するというもので、スコアが高くなれば月々の保険料は下がり、逆にスコアが下がれば保険料は上昇する仕組みです。
「テスラ保険」の「安全運転スコア(セーフティスコア)」の算出に使われる評価項目は以下の5つの項目になります。
(1)急ブレーキをかけた頻度を示す「ハードブレーキング(Hard Breaking)」
(2)急激なハンドル操作をした頻度を示す「アグレッシブターン(Aggressive Turning)」
(3)前方警告音が出た頻度を示す「前方衝突警告(Forward Collision Warning)」
(4)前方車両と十分な車間距離を取らなかった頻度を示す「過剰接近(Unsafe Following)」
(5)ハンドルに手をかけていないとみなされて運転支援機能「オートパイロット」が解除された回数を示す「強制オートパイロット解除(Forced Autopilot Disengagement)」

テスラ社のPRによれば、テスラ保険の加入時には90点の想定スコアでスタートして(満点は100点)、毎月の安全運転の度合いに応じてスコアは変動、平均的なドライバーで2~4割、満点のドライバーで3~6割保険料が安くなるそうです。

テスラ社は、ドライバーの関係はクルマを購入して終わりではなく、自動車保険を重要なタッチポイントとしてWin-Winな関係性が継続・進化していくと考えていて「今後、自動車事業のバリューの30~40%が保険事業になる」というイーロン・マスクの前出のコメントに至っていて、決して投資家向けの打ち上げ花火ではなく、周到に仕組まれた中長期にわたるドライバーの囲い込み戦略なのだと報じられています。

2010年代、スマートフォンはモバイル通信プラットフォームとして、コミュニケーション領域だけでなく、ショッピング、金融・保険、エンターテインメントなどライフデザイン型サービスの受け皿として伝統的マーケティングのゲームチェンジを促しましたが、2020年代は、今度は自動運転のクルマが「スマホ化」することで新たなモビリティサービスのプラットフォームを形成していくだろうとも報じられています。

因みに、この「ステラ保険」、日本でも東京海上社(個人)とSBI損保(法人)が引受保険会社として提供されています。
時代は変わろうとしているのです。
こうした変化の時こそチャンスがあります。
保険代理店は如何に進むべきか考えて行きましょうね。
答えは出ませんが、結心会に相談することはできますので、お気軽にご相談ください。
但し有料ですが。