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企業のフィデューシャリー・デューティー宣言を勉強しましょう。

  • 2017/05/12
  • Dr.ウエノの保険コラム
以前、セゾン投信株式会社のフィデューシャリー宣言をご紹介しましたが、東京海上アセットマネジメント株式会社も、昨年フィデューシャリー・デューティー宣言を発表されています。

参考になりますので、ご紹介します。

1.受託者責任の忠実な履行
 当社は、お客様の信頼をあらゆる事業活動の原点に置いています。
 お客様から信頼を頂き、お客様にとってなくてはならない会社となる為に、受託資産の運
用、商品の提供や契約の締結等の当社業務全般においてお客様の利益を最優先いたしま
す。
 お客様の利益を最優先するため、お客様の立場にたって当社の商品、サービスを評価でき
る販売会社に勧誘・販売を委託しま す。
 なお、当社の親会社には委託しておりません。

2.報酬水準に関する取り組み
 当社は、お客様から頂く報酬について、当社がお客様に提供するサービスの質と量に応じ
た水準を設定いたします。

3.商品提供に関する取り組み
 当社は、お客様の期待の一歩先を行くサービス(TMAM Quality)を提供すべく、お客様
のニーズは元より、各種運用方法に関する調査、研究を積極的に行い、独自性のある商品
の開発に取り組みます。

4.運用に関する取り組み
 当社は、受託資産に関するリスク管理の徹底、自社運用力の更なる強化、運用委託先に対
する適時適切なモニタリング等を通じ、お客様へ提供する商品の品質、サービスの一層
の向上に努めます。

5.お客様のニーズに基づいた経営を担保するための取り組み
 当社は、お客様のニーズに基づいた商品の開発、運用を行うため、独立社外取締役を含む
取締役会において内部統制体制を構築します。

注目すべきは、1.の「なお、当社の親会社には委託しておりません。」でしょうか。
つまり、親会社では販売しないことを宣言しています。
東京海上日動は損害保険会社であり、投信販売はしていないとしても、顧客には分かりやすいアピールだと考えます。

資産運用会社は顧客だけを向いて金融商品を開発し、運用すべきであり、販売会社は顧客のニーズに最適な商品だけを選び出して提供すべきです。
これを歪める最たる問題が「系列」ですが、ここをキッパリ立つことを宣言していて興味深いと思います。

こうして幾つかの企業が、フィデューシャリー・デューティー宣言をされていますので、参考にされたら良いと思います。

言うは易し行うは難しですが、「やります!」と宣言し、コミットしないと前には進まないと思いますね。