第285号 「心を開くことが、心を開く鍵となる」 -2024年 7月 8日配信

「心を開くことが、心を開く鍵となる」

6年前から大学で講座を担当させていただいています。
年間を通した講義ではなく、90分授業3回の講座です。

「ほめ達」を身につけてコミュニケーション能力を高めようという内容、
就職活動ですぐに使える内容もお伝えしています。
学生時代に、私自身がこんな話を聞きたかった!というものを
ぎゅっと詰め込んでお伝えしています。

受講生の皆さんの感想は、
「90分があっという間」
「こんな楽しい授業は受けたことがない」
「自分自身と向かい合うことができた時間だった」
「何だか元気が湧いてきた」など、
とっても嬉しいアンケートを毎回いただいています。

この大学での講座で私が感じることは、いくつかあるのですが、
その中の一つが、こちらが心を開き切ることで、
受講生の心が開かれていく、ということです。

私が「ほめ達」を伝えるにあたって、大切にしていることがあります。
それは、「教えない」ということ、
そしてもう一つが、自らをさらけ出し、
自分自身が、受講されている方に対して、
「心を開き切る」ということです。

まず、
教えるのではなく、思い当たってもらうということについてですが、
「思い当たる」とは、今、目の前で提示された知識や情報が、
自分の過去の体験とつながるということです。
教えられたことには、少し抵抗感もあるものですが、
自ら「思い当たった」ことに対しては、
行動してみようという気になりやすいのです。

そして、もう一つ、
私が大切にしている「心を開き切る」。
これは、相手を信じきって、
自分自身のコンプレックスやトラウマ、辛かった体験を
包み隠さず、暗くならず、明るく伝えるということ。
さらに自分の欲や格好悪い部分、本音も伝えるのです。
ここは、特に若い人に対しては、大切にしています。
若い人に限らず現代人は、
相手の本質、本音を見抜く力が磨かれ、備わっている
と感じることが多いからです。
バレてしまうものならば、こちらから伝えてしまう方がいい、
と考えてさらけ出していく。

こちらが本音を伝え、心を開くと、受講生の心が開かれていきます。
これは、決して、講義中に相手が何かをカミングアウトして
話し出すという意味ではありません。
受講生の目が輝き出すのです。
こちらの言葉が、ぐんぐん相手の頭に入っていくことが感じられるのです。
そして、事後のアンケートで、そのことを確認させていただいています。

相手の心を開きたければ、
まず、こちらの心を開ききって、本音を伝える。
そのためには、
信じる、信じ切る。
自分も相手のことも。

少しチャレンジングなことかもしれませんが、
挑戦してみませんか。
きっと、素敵な気づきがあると思いますよ。