「星を投げる人と3次の影響」
私が好きなお話に「星投げ人」というものがあります。
「星投げ人」より引用
あるところに、年をとった男の人がいました。
その人は、毎朝、海岸を散歩していました。
ある日、いつものように海岸に出かけると、
少年がひとり。
何かを拾っては、海に向かって投げています。
「おはよう、何をしているんだね?」
少年は答えました。
「ヒトデを海に投げてるんだ。
今は引き潮で、おまけに太陽がギラギラ照りつけているから、
海に戻してやらないと死んでしまうもの。」
「でもね、君。ここは砂浜なんだよ。
何キロも続いているし、そこらじゅうヒトデだらけだ。
すべてのヒトデを助けることはできないよ。
だから、そんな事をしてもしょうがないだろう。」
少年はじっと聞いていましたが、
ふたたびヒトデをつかむと、
にっこりしながら、海に投げました。
「でも、今投げたヒトデにとっては意味があるでしょ。」
このお話の元は、アメリカの自然科学ライター、ローレン・アイズリーが
執筆した短編集の中の一作です。
「微力だが無力ではない」、目の前のたった一人のためにできることがあれば、
それを行っていくのだという気持ちを奮い立たせてくれるお話です。
折に触れ、星の形をしたヒトデを海に投げ入れる少年を頭に浮かべ、
「ほめ達」の活動と重ね合わせてきました。
先日、「6次の隔たり」と「3次の影響力」について学ぶ機会がありました。
何となく聞いたことのある内容でしたが、このタイミングで学べたことも、
必然・必要・ベストなのでしょう。
「6次の隔たり」とは、どんな人でも知り合いを6人辿っていけば、
連絡を取ることができる、というものです。
例えば、あの大谷翔平選手に対しても、
友人の友人を通じて岩手県出身の人につながり、
その友人の友人を介して花巻東高校の野球部関係者につながり、
その友人が大谷選手の連絡先を知っている。
これが「6次の隔たり」という考え方で、世間は意外と狭いということを
再確認させてくれます。
そして、「3次の影響力」とは、自分の言動や振る舞いが、
友人の友人のさらにはその友人にまで影響を与えていくというものです。
2010年に発売され、ベストセラーになった
『つながり 社会的ネットワークの驚くべき力』でも紹介されている内容で、
一人の影響力は、自分が考えている以上に大きいということを教えてくれます。
たった一人の「星投げ人」の行動が、周りに影響を与えていく、
そんなことがあるのです。
あなたにとって、「星を投げる」とは、どのような行動でしょうか?
そして、その行動は誰に、どのような影響を与えると思いますか?
一度考えてみてはいかがでしょうか。