第319号 「伝わる力は細部に宿る」 -2025年 12月 8日配信

「伝わる力は細部に宿る」

スッと頭の中に入ってきて、印象に残る話をする人がいる一方、
話し方は、立板に水のごとく、スムーズで聞きやすいのですが、
どんな話だったかが頭に残らない・・・そんな話し手もいらっしゃいます。
その違いは何か。
いくつかの要因があるのですが、今回はそのうちの一つ、
細部やリアリティが聞き手の関心をひく、というお話です。

「神は細部に宿る」という言葉があります。
大きな成果や本質的な価値は、実は“細かなところ”への配慮や丁寧さの中にこそ宿る、
という意味の言葉です。
自分の話が相手に伝わるかどうかも、まさに同じことなのです。
この“細かなところ”への配慮や丁寧さとは、「話」においては、
ディテールを語るということ。

たとえば、
「組織の風通しが良くなると、業務改善が進み、ヒヤリハットに関する提案が増えるようになります」
ということを伝えたいのであれば、

「組織内で『挨拶プラス一言』『会話の中で名前が呼ばれる』『事実プラスありがとう!』を伝え合う機会が増えると、
月に一度、約10名の職長とその部下が集まる業務改善会議で、
『暗くて危ない階段の存在』が報告され、『蛍光灯の追加』が提案されるようになったり、
『無音でフォークリフトが通過する危険な曲がり角』に対して、『足形の一旦停止シール』の提案が出されました。
そのほかにも、半年間で20件(昨年比3倍)の提案があがってくるようになりました。」

「上の話」と「下の話」では、同じ内容を伝えていますが、
ディテールが詳しく語られている「下の話」の方に、より説得力を感じるのではないでしょうか。

二つの違いは、
「話」を聞きながら、聞き手の頭の中に「絵」が浮かんでいるかどうかです。
あたかも自分がその場にいるような錯覚さえ覚える、そんなリアリティ、ディテールを感じさせる。
「話」の中に盛り込むのです。
では、どのようにしたら、そんな話し方ができるのか、
その方法は、まず自分の頭の中にその現場の「絵」を描くことです。
この「絵」は、動画で、カラー色付きで、もちろん音声付き、
さらには、匂いや温度さえ感じられるほどのリアリティで自分の中で再生するのです。
そして、その動く「絵」を言葉で描写して伝えるのです。

実際には、温度や匂いなどは聞き手には伝わりませんが、
そこまでリアルに思い浮かべると、伝え方に迫力が加わります。
これこそ「神は細部に宿る」ということです。

難しいようですが、意識すること、トレーニングしていくことで、
一気に伝わり方が変わっていきます。

さぁ、さっそく意識してトレーニング始めてみませんか。