「孟母三遷の教え」
「孟母三遷」という言葉があります。
これは中国の思想家、孟子の母にまつわるエピソードです。
孟子親子は、はじめ墓場のそばに住んでいましたが、
孟子が陰気な言葉を使い葬式のまねばかりしているので、
賑やかな市場の近くに転居しました。
すると今度は、孟子が市場の商人の損得勘定の駆け引きを真似るので、
これも良くないと学校のそばに引っ越したのです。
学校のそばで暮らすようになった孟子は、礼儀作法を真似るようになったので、
これぞ教育に最適な場所だとして定住したという故事から生まれた言葉です。
人は環境によって大きな影響を受ける、環境が大切との教え、
本当にその通りだと思います。
自分が生活している環境が当たり前になってしまうと、
その環境が及ぼす影響をあまり感じなくなってしまうものです。
ところが、全く違う環境に自分の身を置いてみると、その影響の大きさに驚かされます。
このお正月、10日あまり、北欧のノルウェーで観光客としてではなく、
現地の普通の生活をするという機会がありました。
こちらは、驚くほど、時間の流れが緩やかです。
午前10時まで明るくならない、夕方4時には暗くなってしまう。
基本的には、午後3時から4時には仕事を終えて帰宅する。
自宅で過ごす時間が多く、家族と一緒にいる時間も長い。
マイナス10度の外気温でも散歩に出かけたり、ジョギングをしている。
多くの小さな子どもたちが親と共にそり遊びに興じている。
日本の、特に都会での生活と比べると、
異国どころか、異星での生活のように感じてしまいます。
「孟母三遷」は、子どもの教育環境の大切さを教える言葉ですが、
それだけでなく、一度きりの人生、限りある命を
どのように生きていくのか、
自分自身の環境を意識して、選択する、
その意味も考えてみたいですね。
「異なる環境」それは、外国に行ったりすることだけなく、
新しい学びの場に身を置くことでも体験できます。
一年の始まりにあたって、
「異なる環境」に身を置くことに
挑戦してみませんか。