第178号 「緊張という栄養」 -2020年01月27日配信

「ほめ達!」さんは、人前で話すときに緊張などしないのですか?
と聞かれることがあります。
実際にはどうかというと、緊張はしているのですが、
周りからすると、緊張しているようには見えないようです。
自分でも不思議で、その理由について、考えてみたことがあります。
じつは、私は人一倍、緊張しやすい人、関西弁で言うと「緊張しい」です。
また、臆病で怖がりでもあります。
聞き手に退屈されたくない、つまらないと思われたくないという気持ちが
非常に強いのです。
そのため、話をする前に、徹底的に準備をします。今日の聞き手が、
聞きたいと思うであろう内容を、聞きたい形にして、準備をします。
そして、話し始めたら、自分の話が相手に伝わっているかどうかにだけ意識を向けます。
聞き手の様子を観察することに全神経を使っているのです。
そこには、自分が相手からどのようにみられているか、という感覚はなく、
緊張もありません。無我の領域です。
ですから、私が大事にしているのは、話し始める前の緊張です。
話し始める前といっても、舞台袖のことではありません。
講演や研修の「事前準備をしている時」の緊張です。
この段階で、しっかり危機感を持って、プレッシャーを感じ、
緊張しながら準備を進めること、この準備を大切にしています。
主催団体さまの業界のことを事前に調べていくことはもちろんのこと、
事前に参加者の方の企業などが分かっている時には、
その企業の理念やミッション、ビジョンについても予備知識を仕入れていきます。
実際に、講演や研修で使うかどうかは別として、
仕入れられるだけの情報は、仕入れて準備しておきます。
講演や研修では、いただいている時間の3倍の内容、コンテンツを用意して、
時間通り、ぴったり終わるようにします。
時間通りに終わることも講師の重要な役割の一つだと考えています。
なぜ、このようなことが続けられるのかというと、
やはり、緊張感、プレッシャーが私の成長の栄養素となっているからです。
「準備をしないということは、何もしないことではない。
準備をしないということは、失敗をする準備を着々としていること」
私が常に心している言葉です。

あなたは、今、何に対して緊張やプレッシャーを感じていますか?
もし、それらの緊張やプレッシャーを糧として、
事前に準備ができることあるとするならば、
それはどのような準備でしょうか。

緊張を栄養素として、一手間かけて準備をする、今日から始めてみませんか。