散歩の格好でエベレストに登った人はいない。
あまりにも当り前すぎる言葉ですが、真理ではあります。
目指すところが変われば、その準備も変わる。
どこまで目指すのか、どこまで行きたいのか。
私が好きな詩に「第一歩」というものがあります。
後藤静香(ごとうせいこう)さんの詩です。
「第一歩」
十里の旅の第一歩
百里の旅の第一歩
同じ一歩でも覚悟がちがう
三笠山に登る第一歩
富士山に登る第一歩
同じ一歩でも覚悟がちがう
どこまで行くつもりか
どこまで登るつもりか
目標がその日その日を支配する
背筋が伸びる、素敵な詩です。
大好きで、時折、読み返し、口ずさんでいる詩です。
そして、その一方で、
ふらりと散歩に出るぐらいの軽い気持ちで、
まず動いてみることも大切なのではないかとも思うのです。
散歩の格好でエベレストには登れないかもしれないけれど、
丘から街を見下ろして、季節の移ろいに思いをはせる。
夕日を眺めながら、都会の中の自然を味わう。
そんな時間を過ごしながら、
一度きりの人生、限りある命、自分の命をどのように使おうかと、
つらつらと考える。
覚悟ほどの思いは生まれなくても、
こうなればいいなとの思いが、種となって、
いつか覚悟に成長するかもしれない。
あるいは、そのまま人生散歩を楽しむ人生になるかもしれない。
それもまた良し!ではないでしょうか。
覚悟が見つかることも幸せ、人生散歩を楽しむことも幸せ。
私はそう考えるのですが、あなたはどうですか。