第180号 「散歩の格好でエベレスト」 -2020年02月24日配信

散歩の格好でエベレストに登った人はいない。
あまりにも当り前すぎる言葉ですが、真理ではあります。
目指すところが変われば、その準備も変わる。
どこまで目指すのか、どこまで行きたいのか。

私が好きな詩に「第一歩」というものがあります。
後藤静香(ごとうせいこう)さんの詩です。

「第一歩」
十里の旅の第一歩
百里の旅の第一歩
同じ一歩でも覚悟がちがう
三笠山に登る第一歩
富士山に登る第一歩
同じ一歩でも覚悟がちがう
どこまで行くつもりか
どこまで登るつもりか
目標がその日その日を支配する

背筋が伸びる、素敵な詩です。
大好きで、時折、読み返し、口ずさんでいる詩です。
そして、その一方で、
ふらりと散歩に出るぐらいの軽い気持ちで、
まず動いてみることも大切なのではないかとも思うのです。

散歩の格好でエベレストには登れないかもしれないけれど、
丘から街を見下ろして、季節の移ろいに思いをはせる。
夕日を眺めながら、都会の中の自然を味わう。

そんな時間を過ごしながら、
一度きりの人生、限りある命、自分の命をどのように使おうかと、
つらつらと考える。
覚悟ほどの思いは生まれなくても、
こうなればいいなとの思いが、種となって、
いつか覚悟に成長するかもしれない。
あるいは、そのまま人生散歩を楽しむ人生になるかもしれない。
それもまた良し!ではないでしょうか。
覚悟が見つかることも幸せ、人生散歩を楽しむことも幸せ。
私はそう考えるのですが、あなたはどうですか。