第183号 「繭になる」 -2020年04月13日配信

新型ウイルス感染が広がり、外出の自粛など規制の中での生活が続いています。
「ほめ達!」の検定試験や講演、研修など全てが延期、あるいは中止となっています。
皆さんの日常も、大きく変わってしまっているのではないでしょうか。

家に居る時間が長くなる、知らぬ間に、家族もストレスが溜まっていて、
普通ならば、ぶつからないようことで、喧嘩になる。
さらに心がざらついてしまう。悪循環・・・。

こんな時こそ、「ほめ達!」を実践するチャンス。

「これは、何のチャンスだろう?」「ありがとうの反対は、当たり前、当たり前に感謝するチャンス」。
などと頭ではわかっていても、実際にはうまくいかないこともあるかと思います。
「ほめ達!」なのに!「ほめ達!」を学んだのに!
それでもいいのです。
「ほめ達!」を学んだのに、「ほめ達!」なのに、感情が動く、怒ってしまう、いらついてしまう。
それで大丈夫です。
いらついたり、怒ったり、感情的になってもいい。そのあと、気がついて反省して、リカバーすればいいのです。
現在の状況に対しても、不安を感じていても、チャンスに思えなくても大丈夫です。
ただ、私は、現在の状況をこのように考えています。
大きな成長への重要な段階に入った!と。
どういうことか、これからお伝えしてきます。

「青虫の成長」という話があります。青虫が1センチから2センチになった、これを成長したとは言わない。
青虫の成長とは、青虫が姿を変えて「さなぎ」になること。
さらに「さなぎ」から姿を変え「蝶」などの成虫になること、これが本当の成長だというお話です。
今は、日本中が「さなぎ」の時期に入ったのではないか、
繭(まゆ)の中にこもり、成虫への変化を遂げる蚕(かいこ)のように。
蚕は2昼夜かけて繭をつくり、そのなかで5日間かけて「さなぎ」となり、
そこからさらに15日ほどかけて成虫に成長します。
私たちも、これから約1ヶ月、繭の中にこもり、成長し続ける。
蚕がつくる繭、細い細い糸を口から吐き、等間隔、同じ方向に編み続ける、
この細い糸は、同じ太さの鉄よりも強度があるそうです。
この繭は、つむぎ、撚り合わせることで絹となります。絹は織られて人々の役に立つものになります。
私たちも繭を作りませんか。この自宅にいる時間を活用して、誰かの役に立てる小さな取り組みに挑戦する。
一人一人がつくる繭は、ほんの少しの量かもしれません。
それでも、多くの繭が寄りあつまることで、美しく大きな絹の布が編まれていく。
そう考えると、繭にこもるのも悪いものではない、と思えてくるのですが、いかがでしょうか。