「なぞる時間と描く時間」
「なぞる」というのは、すでに書かれた文字や絵などに対して、その形を再現するように、
もう一度その文字や絵の上に筆を通すことです。
それに対して、「描く」とは、何も書かれていない白紙の上に新しい文字や絵を表現すること、
まったく新しいものを作り出す作業です。
年を重ねていくごとに、人生の中で、
描く時間よりも、なぞる時間が増えていっているということはないでしょうか。
なぞることは、決して悪いことではありません。
良いものを見つけたら、それをなぞって再現していく、
素敵なお手本を見つけ、どんどんそれを増やしていく、素晴らしいことだと思います。
過去の成功体験をなぞることも人生を豊かにしてくれるものになります。
例えるならば、素敵な温泉宿を見つけ、その宿をリピート利用してお馴染みさんになっていくようなものでしょうか。
どんどん居心地が良くなって、サービスもさらに痒い所に手が届くようになっていくことでしょう。
その一方で、新しい宿を新規開拓していくのも楽しい経験となるのではないでしょうか。
素敵な見本をなぞる、その価値を知り活用しながら、
真っ白なキャンバスに描くことに挑戦する時間を持つことを意識してみませんか。
なぞれるものが少なく、新しいものを描くことばかりに挑戦してきた時期を過ぎ、
素敵な見本たちをなぞることで、安定した結果を出せるようになった、
描く時間よりも、なぞっている時間が増えてきたな、
もし、そう感じられるならば、描くことに挑戦するタイミングです。
あなたにとって、「描く時間を持つ」とは、どのようなことでしょうか。
なぞることを一旦ストップして、描くことに挑戦する。
これまでの行動パターンから外れることに挑戦してみてはいかがでしょうか。
行ったことのない場所に出かける、
新しい学びを始める、見聞を広げる、
こんなことからスタートされても良いかもしれませんね。
なぞることを一旦お休みして、
人生の余白を「描く」ことで埋め尽くしていきましょう。