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空いているホテルを使ったテレワーク

  • 2020/08/17
  • Dr.ウエノの保険コラム

今住んでいる東京・芝浦の周辺にもホテルが次々とオープンしています。東京オリンピックと訪日客需要を狙っての開業だと思いますが、残念ながら人が入っている感じが全くしません。こうした背景を利用して、「空いているホテルの部屋等をテレワーカーに時間貸しする」というビジネスを展開している社長と先般お会いしました。

新型コロナの影響で週に何度かはオンラインミーティングをやっていますが、自宅だとネット環境が悪くて途中で画面が固まったりしてうまく行かないことも多く、また画面でお子様が登場したり、ご飯ですよという声が聞こえてきたりしてプライベート感満載で戸惑うこともあります。こうした方向けに近くのホテルの「朝食会場を15分50円」から利用できたり、部屋そのものを30分最低500円で借りることができるサービスがあると便利で使いたいという方が多いと思います。部屋はベットはなくしてテレワーク専用に一部改装されているそうです。

利用者は会員登録を行い必要な情報を入力、わずか1分で参画施設の利用ができるようになるという優れモノで、施設ページで空き状況を確認、直接フロント設置のQRコードを利用開始時と終了時に読み取るだけで時間単価に応じた料金が登録アカウントに課金されるというスキームになります。

こんなサービスがあると、ほとんどテレワークで自宅にいるという保険会社の社員や、生保のセールスレディの皆様、保険代理店の募集人にとっては大変便利だと思います。電源、WiFi環境が整っていて、しかもドリンクサービス付きだということなしですよね。ということで、結心会を通じて会員の皆様に是非拡散して欲しいとの依頼を受けたものです。

地方や中小企業ではなかなかテレワークができないと思いますが、ホテルを活用すればできるようになりますよね。更に、ここに我々としては「1DAYテレワーク保険」なるものでも作って販売すれば、相当売れるかと考えています。新しい社会現象の中に必ず保険が生まれて来ます。そのためには、こうしたスタートアップ企業と最初に提携して相互支援することだと考えています。

6月の結心会定例会で紹介した「ドローンを活用して田んぼに農薬を散布する事業に新規参入しませんか」というアイテムも導入いただく保険代理店も増えており、異業種・異業態の企業の参入も相次いでいます。となると「ドローン保険」を取らない訳にはいきませんよね。

このようにスタートアップ企業と提携して新しいビジネスに保険代理店も参入しつつ、併せてこの分野に必要な保険を考え併せて行けば、保険事業にも結果つながっていくのです。
こうしたことも含め、結心会では保険以外で収益になるありとあらゆることに挑戦しようと常に動いています。

9月8日~9日開催の第47回結心会定例会の中でも、こうしたアイテムをご紹介します。
保険手数料が下がる中、且つお客様と会えないことで保険募集自体が停滞する中、保険外収益を求めたいという方は是非定例会にご参加下さい。関心を持たれた方は、結心会のホームページから定例会の欄をクリックいただき、スケジュールを確認いただき、申込下さい。多くの方のご参加をお待ちしています。

お客様目線での保険代理店統合を目指しましょう

  • 2020/08/11
  • Dr.ウエノの保険コラム

あいおいニッセイ同和損害保険は、一定条件下でシステムに運転を任せられる「レベル3」の自動運転車を対象とした保険を開発したことが報じられました。
「人間の運転よりも安全」との前提から、自動走行中は保険料を無料とするというもので、「レベル3」車の年内実用化を見越してなんと今年10月から販売を始めるということです。

「レベル3」は高速道路の渋滞時などに、運転手が直ちに対応できる状態であれば走行中に前方から視線を外すことができる水準。あいおいニッセイは「保険で自動運転車の普及を後押ししたい」として、メーカー各社との連携を目指すそうです。保険料はメーカーが提供する車の走行データから計算。基本保険料はそのままですが、走行距離などに応じて変動する「運転分保険料」が自動走行中は無料となるそうです。一般的な契約条件で年間1万2000キロを走り、半分の6000キロを自動走行した場合、年間保険料の1割弱に当たる1万円程度が割り引かれるとしています。

自動運転普及により、自動車保険は6割がなくなると言われていますが、「まだ先のこと」と思っていた現実が、そこまで来ようとしています。
トヨタや日産、BMWは新車のサブスクリプションサービスに注力していけば、保険代理店の出番は自動車保険ではなくなりますよね。

損保ジャパン社は、企業向けの保険で「オンラインで保険契約を結べる」ようにして、オンライン会議や電話で商品内容を説明し、「押印や署名は不要」とすることを発表しました。これで、益々「保険代理店は必要ない」という状況になろうとしています。

東京海上は「1県に1代理店」で十分と言っていて、損保ジャパンは「1代理店10億円」ないと代理店として存在不要として損保ジャパンが指定する「PA(パートナエージェント)」への統合を進めていますが、こうした背景を考えると当たり前と言えると思います。

そもそも「一匹狼」的な人が多い損保代理店が複数合体しても「船頭多くして船山に上る」ですので、うまく行っている代理店を見ることは少ないですね。中途半端に10億円とかでまとまるのではなく、いっそ100億円を超す規模にすれば管理する組織も作らなければならないのでまとまると思います。既にKRCとかE保険プランニングとかの合体代理店がいくつか登場していますが、現状は単に合体して「保険会社から潰されないようにする」、「合体することによって手数料ランクを上げる」といった目的でしかありません。
要するに「お客様のため」でなく「自分たちのため」での代理店統合にしかなっていません。これでは「ほころび」が至る所に出てきて当たり前です。

何のために保険募集をしているのか。自身の収益のためでもありますが、それ以前に「お客様のため」という信念をもって取り組んでいる方が多いのが損保代理店だと思います。
夏休みの時間を活用して、もう一度「お客様のため」に何が良いのかを、今こそ考えて、どういう方向性に進んで行くかを考えてみて下さい。

JTBが「脱」旅行会社へ

  • 2020/08/03
  • Dr.ウエノの保険コラム

新型コロナの影響で旅行業界は一番打撃を受けていますが、旅行代理店大手のJTBは「脱」旅行会社を打ち出しています。

「脱」何とかと響きも良いですよね。
JTBは、オンラインでのウェディングプランを販売したり、イベントの手助けやリモートを活用した株主総会の開催等、旅行以外の分野の開拓をしているそうです。「旅行を通じて作った顧客データ」がありますから、何でもできますよね。JTBの社長がテレビで「交流創造をしていく会社になる」とお話されていて、大変共感を持って拝見しました。「交流創造企業」というワード、今後、パクッて使おうかと思います。

某損害保険会社も数年後には「昔は保険会社だったの」と言われるくらい業態を変え、「テーマパークのような存在になる」と公表されていますが、保険会社も保険代理店も「脱」保険の必要性があると思います。

で、「脱」何とかになるための必須条件は、「従来の仕事を通じて集めた個人情報が豊富にあること」だと思いますが、如何でしょうか。
前述の某損害保険会社も自動車保険等の顧客データを活用して駐車場を貸す事業展開をakippaという会社に出資して展開していますよね。

昔から生保レディは300人の顧客がいれば一生保険で食えると言われていましたが、保険代理店の皆様も1000人程度の顧客はお持ちだと思います。最近、一般社団法人結心会では「モーター部会」を設立して「メガ整備工場さん」とお付き合いしていますが、メガ整備工場さん一つで顧客数20万人というようなビックデータをお持ちの会社もあります。1000人の顧客を持つ保険代理店200店分が一つの整備工場さんにあるのです。ディーラーや整備工場さん等は全国に9万店あり、ここで7000万台をこえる車検整備をしている訳ですから、こうしたモーターチャネルと提携すれば車をお持ちの方の顧客データはすべて揃うことになります。

「車検」という国の制度があるからできる、離れ業的顧客情報取得方法だと考えますが、これを生かさない手はないですよね。

トヨタ自動車自体も「脱」自動車メーカーに動いていますが、自動運転になると自動車保険は6割減ると言われている中、ディーラーや整備工場も「脱」を目指しています。どの企業も「脱」を目指す中、保険という共通業務を横串にして横連携が構築できないかと考えています。

色々な業種・業態がすべて新型コロナの影響もあり、中長期に取り組んでいた「脱」を直ぐに取り組む必要性が生じている今、こうした横連携による顧客データの相互利用は不可欠だと考えています。もっと多くの業種・業態を巻き込んで何か化学反応が起こせないかなあ。

損保社が保険代理店を通じて生保の通販参入

  • 2020/07/27
  • Dr.ウエノの保険コラム

損害保険大手が保険代理店を通じた生命保険の通信販売に参入することが報じられました。

まずMS&ADインシュアランスグループホールディングスが7月に約1万5000の損保などの代理店を通じ、生命保険を非対面で売り出すそうです。
損保を扱う保険代理店が生保を売りやすくなり、生保の販売市場が変わる契機になる可能性があると報じていました。

自動車保険や火災保険といった損保は、「非対面での契約更新が可能」です。損保代理店は1年に1度の契約更新などにあわせて生保を案内でき、しかも通販商品であれば案内をするだけですので、過去損保の既存契約者に生保を直接販売するという「クロスセル」が全くできなかった損保代理店にとっては朗報でしょうかね。生保は新型コロナウイルス禍で直接接触しない形での販売が広がっており、損保系生保にもその流れが波及したと報じていました。

通販は、三井住友海上あいおい生命保険が手がけるそうです。簡易な医療保険やがん保険を書類の郵送で契約できるようにするほか、死亡保険などほぼ全商品を、テレビ電話を通じて面談して販売できるようにするそうです。
代理店の販売体制は通販型生保のコールセンターの基準にあわせ、録音システムなどの整備を求め、苦情も記録し不適切な販売が起きにくい体制を整えるそうです。3年後に新規の契約の2割をこうした非対面を通じた販売に置き換える計画だとも報じられていました。

SOMPOホールディングスも年内をメドに損保代理店などを通じて生命保険を通販する体制を整え、今後全商品に扱いを広げ、更に東京海上ホールディングスも今後、コロナ禍で特例措置を講じて認めている生保の代理店通販を恒久的に認める方向であるとも報じていました。

損保系生保会社が登場して20数年。損保代理店での生保販売が全く機能せず、生保乗合代理店を中心に規模を拡大して来ましたが、乗合代理店に生保日本社子会社が相次ぎ参入したことで一定のシェアを維持できなくなっています。再度、損保代理店に生保販売は無理だと理解はしているので、新手の生保通販の案内に持ち込もうとしているようです。そんなに飛び抜けた商品力ではないので、売れるとは思いませんが、トライしてみることは面白いと思います。損保代理店に下手な商品説明をさせるくらいなら案内するだけで十分かと思います。
セブンイレブンでのがん保険販売もあいおい生命で取り扱うなど、損保系生保は「簡単・単品商品申込み」に活路を見出そうとしているのでしょうか。
特に東京海上社、損保ジャパン社は損保代理店の統廃合に躍起で、1県1代理店構想や収入保険10億円以下は不要という施策が進んでいて、統廃合後の代理店で生保販売させるには通販くらいしかできないと思いますね。

面白い方向性だと思います。

落日のGNP営業

  • 2020/07/20
  • Dr.ウエノの保険コラム

新型コロナ対策で人と直接会えなくなった保険業界を鑑みて「落日のGNP営業」というテーマで新聞記事になっていました。

新型コロナ対策でお客様と会えなくなり、保険会社各社がオンラインでの保険募集を容認したことから、従来の保険募集の形が大きく変わるということで、こうした表現で記事が掲載されていました。

「保険募集のGNP」と言われても、若干「死語化」している感も否めませんが、そもそも若い方はこのワードをご存知でしょうか。
「G : 義理」、「N : 人情」、「P :プレゼント」を指し、義理と人情とプレゼントが「保険営業のスタイル」と言われて来ました。
かんぽ生命の販売手法が問題視されている郵便局の保険販売の根幹も、日ごろ何かと世話になっているので、勧められた保険に入るという「義理」があると思います。

昔の保険営業は個人情報保護法がありませんでしたので、日々、職場に生保レディーが来て保険の提案をされ、今日も来たわよというメッセージを込めて机の上に飴という「プレゼント」がおいてあり、ほぼ根負けして、ふと「人情」が湧いて、内容もわからないまま毎月の支払額だけを基準に加入していたという方が多かったと思います。生命保険の加入率が90%程度あるのに保険は嫌いという方が多いですが、こうした営業スタイルが嫌われて保険は嫌いにつながっていたと思います。

日本的な営業手法で嫌いではありませんが、義理も人情もすたれた世の中では、もともとGNPによる保険営業は既になくなったように感じます。「G : ゴルフ」「N : 飲み会」「P : プリティガール」が法人経営者の攻略法と豪語していた募集人もいましたし、客員講師をしている中央大学の学生に保険募集のGNPは何だと思うと聞いたら、「G」はGoogle、「N」はネットワーク、「P」はポイントといった回答もあり時代を感じました。

「コンビニでも保険販売」の時代ですから、人と如何に接触するかで、保険募集手法は変化していきますよね。

来年には、「金融サービス仲介業」が登場します。
家計簿アプリを使っていたら最適な保険の提案がプッシュ通知で送られて来たりする時代が近づいています。ついには、そもそも募集人もいらない時代が来ようとしています。某損保会社では「一つの県に一つの代理店」で十分として統廃合を推進していますが、人と会わなくて保険募集ができる流れができれば、最終的にはここに行きつくと思います。

代理店の手数料が下がる一方の中、現在保有している顧客情報の質と量を如何に高めていくかを追求し、保険代理店業からの変態を今こそ考えないと3年後に未来はないと思いますね。