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共同募集と代理店分担

  • 2016/12/31
  • Dr.ウエノの保険コラム

共同募集についての議論が始まりました。

損害保険では代理店分担という制度が古くからありますが、共同募集という概念とは大きく異なります。意外と理解されていないので、一度、整理してみたいと思います。損害保険で使っている「代理店分担」。

これは一つの契約を複数の保険代理店でシェアすることを言います。

古くから使われていて、二つの代理店でも三つの代理店でも分担することが可能な制度です。そもそも損害保険には保険会社が複数でシンジケートを作って一つの契約をシェアするという共同保険という概念もあります。古くは住宅金融公庫なる機関が住宅ローンの貸し出しを活発に行っていた時代には、保険会社複数社で火災保険契約をシェアしていました。こうした歴史から代理店分担が普通に存在しています。

広島のA代理店の顧客が東京で新しい事業展開するにあたって損害保険が必要となり、A代理店は管理が出来ないとして知り合いの東京のB代理店に契約の依頼をし、通行税としてA代理店は顧客紹介という名目で例えば30%を代理店分担で貰うという形式は当たり前にあります。一方、生命保険の共同募集とは本当に一緒に保険募集をするということが前提とされています。二人の募集人が一緒にお客様の所に行って契約をし、50%ずつの折半にする形が基本形となります。この共同募集の概念に損保系生保社が参入したことで、共同募集の概念が少し変化し、生保の共同募集にも30%対70%といったシェア分担が発生しました。

流石に損保のように三つの代理店でシェアは出来ませんが、かなり損保的な考え方がこの8年位で導入されて来ました。

そういった流れに確認を下す意味もあって、今回の共同募集の概念についての議論が始まったのだと思います。共同募集については損保系生保社でも、きちんとしたルールが出来ています。

例えば、「マーケットホルダー」と「代理店」との共同募集については、「マーケットホルダー」の役割分担は『ホームページなどで集客した見込客に対して「名乗り」、「個人情報」と「大まかな意向」をヒヤリングし、代理店と連携する。「大まかな意向」とは電話や書面のやり取りの中で収集した見込客の要望や情報などを指す。』とされ、「代理店」の役割分担は『マーケットホルダーから得た情報を元にプランを作成の上、アポイントに従い訪問し、「名乗り」「募集」を行う。』とされています。他のケースにおいても具体的な役割分担が決められていて、これに沿って取り組めば問題ないと考えます。

本来、共同募集については保険会社が容認して初めて成り立つ訳ですので、代理店が勝手にシェア割合を決めること自体おかしいと思います。今後は元々ルール化されている訳ですので、正しい運営をしていくことで、クリアできる問題だと思います。

共同募集についても2017年は整理していかないといけませんよ。


年末年始も保険ショップは仕事してます!

  • 2016/12/31
  • ネクタイ派手夫の保険流通革命メルマガ

毎年、ネクタイ派手夫の保険流通革命の最後の題は、これになっている感じがしますが、やはり、保険代理店と保険ショップの差をいつも年末年始に感じてしまうので取り上げたいと思います。

それは、保険代理店は恐らく27日あたりには年内の営業を終えますが、保険ショップは、入っている商業施設に合わせて通常31日まで営業をしていることです。

2016年のカレンダーは31日が土曜日で新年4日には仕事始めの所も多いので、年末年始で保険契約が殺到するということはないと思いますが、年末年始の時間しか保険の事を考える余裕もない方々にとっては年末年始でも開いている保険ショップは有難いと思います。

「お客様の利便性」を考えスタートした保険ショップも12年ほどが経ちます。

「来店型保険ショップ」自体は完全に市民権を勝ち取り、今や全国各地に2300店ほどが存在するほどに拡大しました。

「良く行く商業施設に入っていて、食材を買いに行くついでに保険相談が出来る」、「時間も商業施設に合わせて夜20時位までやっていて仕事帰りにでも保険相談が出来る」、「保険代理店や保険会社が休んでいる土曜日や日曜日も開いている」等の利便性の高さで、ここまで拡大しましたが、お客様に一番時間がある「お盆休み(夏休み)」や「年末年始の休み」も開いていることで、認知度は大きく上がりました。

久しぶりに故郷に帰り、近くの商業施設に行ったら、保険ショップがあり、「いつかは故郷に帰るので保険は『地元』で加入したい」と、保険加入される方は相変わらず多くいらっしゃいます。不思議な光景ですよね。

ネクタイ派手夫も保険ショップに携わっていた頃は、31日の最終成果報告を受ける必要がありましたので夜遅くまで仕事をしていました。紅白歌合戦は当然のように見ることはありませんでした。しかも、元旦1月1日から商業施設の多くは開きますので、当然、保険ショップも開店となり、初詣帰りのお客様と保険の話を元旦からしていました。お客様の中には1月1日に保険契約すると保険始期が1月1日になると勘違いされて来店される方もいらっしゃいましたので、お客様の意向に沿うためには12月中での契約をお勧めする店頭ポップなどを作って、ご案内していたことを思い出します。

こうした特殊な業務形態が「産業障壁」となって12年前に保険ショップがスタートしても追随する保険代理店は皆無でしたが、今では年末年始も営業している保険代理店以外の業種業態が参入して来ています。

保険ショップにとって、2017年は大きな潮目の年となることに異論を唱える方はないと思います。

一方で大きなチャンスでもあります。

まずは、年内の営業をきちんと行い、利便性を求められるお客様にご満足いただける対応を取ることが大切です。

最後まで気合を入れて頑張って行きましょう。


確定拠出年金が来年の鍵

  • 2016/12/23
  • Dr.ウエノの保険コラム

2017年1月1日に改正確定拠出年金法が施行されます。法律が改正されるとマーケットは大きく動きますよね。来年の最大のチャンスは、この確定拠出年金だと考えていますので、軽く説明したいと思います。

確定拠出年金(DC)は公的年金に上乗せされる年金制度の一つです。

国民年金基金や昔ながらの確定給付付企業年金に加え、新たな上乗せ年金の選択肢として2001年に登場しました。毎月、一定の掛け金を支払い(拠出し)ながら金融商品で運用し、貯まった資金を60歳以降に一括で、または年金で受け取るという制度です。

国民年金自体が本当に受け取れるのかという背景がある中、国も積極的で、税制面では優遇のある投資支援制度である「NISA」と比べても、さらに優遇が手厚く、有利な資産形成を出来るのが特徴です。

税制メリットは次の三つ。

①『掛け金を払う時』

個人型は「掛け金(拠出額)」全額が所得控除の対象となり、所得税、住民税が拠出額に

応じて減少する。企業型は会社が掛け金を払うが給与とみなされないため非課税。

②『運用している間』

運用中に得た利益は全て非課税。投信の売却益や分配金、預金の利息などがその対象とな

る。その分、福利効果が期待できる。

③『受け取る時』

貯まった資金を受け取る際、一括で受け取れれば退職所得控除、分割で受け取れば公的年

金等控除の対象となり、所得税などが安くなる。

にもかかわらず、制度が導入されて15年が経過して現在確定拠出年金に加入している企業は全体の0.9%にしか過ぎません。

そこで、2017年から利用者拡大を図るべく、制度を大幅改正することになったものです。

何と言っても、個人型DCに、「国民年金加入の現役世代なら誰でも加入できる」ようになることがポイントです。これまで入れなかった「公務員」や「会社員や公務員の妻」も、それぞれ上限額が公務員で月額1.2万円、妻で月額2.3万円と設定されていますが、加入できるようになります。

金融庁も「貯蓄から投資へ」を後押ししていますので、保険代理店が積極的にDCに取り組むべきだと考えています。

そのため、2017年1月18日開催の結心会定例会では2時間ですが、勉強会を開催します。

制度自体を理解し、如何に企業や個人にアプローチしていくかを参加者全員で共有します。

来年はDCから個人投資教育を保険代理店が出来るような展開にしたいと思います。

カオスの保険業界を救う方法の一つは、DCであることは間違いないと考えますよ!

早く取り組んだものがリードします。結心会と共に取り組んでみませんか。


相次ぐ保険ショップのM&A、今度は証券会社!

  • 2016/12/22
  • ネクタイ派手夫の保険流通革命メルマガ

保険ショップのM&Aが相次いでいますが、今度は証券会社が保険ショップを買収しました。

昨日の日本経済新聞に次の記事が掲載されていました。

『東海東京フィナンシャル・ホールディングスは保険代理店を全国展開するエターナル(神戸市)を買収する。生命・損害保険商品の販売などを通じて若年層の金融資産を取り込む狙い。買収額は20億~30億円程度とみられる。国内の証券会社が保険代理店を買収するのは初めて。

証券業は顧客の高齢化が進んでおり、買収を機に株式の売買手数料以外の収益源を広げる。

エターナルは幅広い保険会社の商品を扱う代理店「保険テラス」を展開している。都市部を中心に全国70店舗以上を構える。売上高は約20億円。東海東京はエターナルの株主から全株式を取得し、買収後もエターナルの既存店運営を続ける。

東海東京は来年にも中部地方を中心に個人金融資産を一体運用する新規店を出す。株式、債券のほか、保険や住宅ローンも扱う。保険分野ではエターナルのノウハウを生かす。保険や住宅ローンは若年層のニーズが高いため、顧客基盤を固めて将来の資産運用ニーズも取り込む。住宅ローンはソニー銀行や地方銀行から商品の提供を受ける。』

2年位前から「噂」はありましたが、漸く決まったという感じですね。

エターナル社は3年前にAIG富士生命を買収した香港ファンドFWD社から5億円の出資を受けて店舗展開をしていました。これは元々FWD社が日本で新しく保険会社を設立しようと画策していて、保険会社が出来た場合に「必要な販社」を押さえる意味で、多くの保険代理店に出資をしていました。その最も大きな出資がエターナルでしたが、今般AIG富士生命を買収したため富士生命乗合代理店がそのまま販社となるため、こうした出資の回収に走ったのだと思います。

今回の買収劇は、東海東京フィナンシャル・ホールディングスの店舗展開と保険テラスの店舗展開のエリアがマッチングしている点が大きなポイントだと思います。

先般、山口フィナンシャルグループが「保険ひろば」という保険ショップを買収しましたが、これも店舗展開のエリアがマッチングしていました。従来マーケットがあるエリアに新しい分野で相互参入できる訳ですから効果は当然出ますよね。

銀行に続いて証券会社による買収は、2017年1月1日から確定拠出年金法改正で個人型DCが注目される中、非常に面白いと思います。銀行、証券、保険の「金融」が三位一体で動けば、保険ショップは漸く「フィナンシャルショップ」としての機能を果たすことが出来ると思います。

今後、保険ショップのM&Aは拡大するのでしょうか。

残念ながら、上場会社絡みのない大型中堅保険ショップ自体、数えるほどしか残っていません。あとは各県内に数店を保有する保険ショップのみ。

どちらに進むとしても、「保険ショップは何か強い特徴を持つよう努力する必要」がありますね。


第33回結心会定例会のご案内

  • 2016/12/16
  • Dr.ウエノの保険コラム

来年1月18日~19日の二日間、東京・多摩市の富士火災多摩研修センターに於いて「第33回結心会定例会」を開催します。内容は次の通りです。

■1日目(2017年1月18日~19日)

12 : 50 開会挨拶・・・結心会 会長

メインテーマ『基本型とイレギュラー型のマーケット創出手法を考える』

 13:00 『確定拠出年金についてもう一度取り組んでみよう』
・・・一般社団法人 確定拠出年金教育支援協会 代表理事 至田勝紀 氏

★マーケットが枯渇する中、確定拠出年金に再度は取組むことで法人マーケットに参入し、
そこから従業員の「投資教育」、更には「個別相談」と展開し、マーケットを創出しようという試みです。企業でどういった話をするのか、採用後の授業員向け投資教育はどのようなことをやるのか等を具体的に説明していただきます。

15 : 10 休憩&集合写真

15 : 30 『何でも買い取ります!』 ・・・ 株式会社銀座屋 森社長

★ブランド品買い取り業者との提携でママ・マーケットや富裕者層マーケットを創出しようという企画です。また遺品整理も出来るのでシニアマーケットにアプローチする新しい切り口となると考えています。

16 : 10 『健康ステーション構想について』 ・・・ 健康ステーション実行委員会

★「リアルリーズ」を自ら創出するための新しい店舗展開を提案します。

16 : 50 休憩

17 : 10 『がん早期発見をサポートするメディカルクラブを企業に提案しましょう』
・・・プリベントメディカル株式会社 馬渕取締役(医師)≪予定≫

★本システムについての医学的見解等のお話もしていただきます。

18 : 00 終了

■2日目(2017年1月19日)

8 : 00 結心会総会

9 : 00 休憩

9 : 15 ①財務力協会からの提案 ②おもてなし電話について

10 : 00 ③ Wai Wai Gaya Gaya

★先が全く読めなくなった保険業界において、今後どう進んで行くべきかを参加者全員でグループ討論します。新年ですので、参加者の昨年の情勢、今年の展望等を語り合い、多くの代理店の生の声を全員で共有したいと思います。お互いに聞きたいことを聞きたい方に聞いていただければと思います。

12 : 30 終了

如何でしょうか。
参加費10,800円をお支払いいただければどなたでも総会以外は参加できます。
参加希望の方は、「nekutai-hade@mopera.net」まで参加希望される方のお名前、住所、連絡先等をメール下さい。

大勢の方々の参加をお待ちしています!