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保険とFintech

  • 2017/04/21
  • Dr.ウエノの保険コラム

「Fintech」(フィンテック)という言葉をお聞きになった方は多いと思います。

「ファイナンシャル」と「テクノロジー」を掛け合わせた造語で「ファイナンス・テクノロジー」の略ですが、最近、Dr.ウエノの周辺でも、ティンテック関連の話を聴くことが非常に多くなっており、フィンテックが動き出していることを肌で感じています。
保険業界では、「インシュアテック」とか「インステック」とかの造語が作られ、Dr.ウエノも機を逃すことなく株式会社インステック総合研究所を昨年立ち上げてみました。株式会社インステック総合研究所のホームページにはフィンテック関連の記事を日々紹介していますので、ご覧ください。

そて、「保険でフィンテック」というと、①保険加入の入口、②保全、③保険金支払いの出口、この三つで如何にテクノロジーを活用した効率化等が図れるかという図式だと考えます。

保険金支払いの出口については、先日もかんぽ生命と日本IBМがIBМの人工知能(AI)コンピュータ「ワトソン」を使っての保険金の支払い審査を始めたというニュースが流れていました。AI活用で、審査の精度を高めながら、支払いまでの時間を短くできるという訳ですね。

損保のマリン保険でも、「ブロックチェーン」の活用を検討する動きが出てきました。
ブロックチェーンとは暗号化技術を活用し、取引履歴などの台帳を分散管理・同期することで改ざんできないことを保証できる仕組み。金融取引や株式取引などのシステムへの適用に革新的な技術として注目され、損害保険業務でも活用の動きが始まっています。
損保では損保の歴史の始まりの商品でもある「海上保険」ですが、輸出入に関わる外航貨物海上保険では船荷証券や信用状、保険証券など関連書類はいまだに紙がベース。損保の時代を切り開いた海上保険が今では取り残された形になっています。
そこでデータの秘匿性を確保しつつ、関係書類の電子化、業務の効率化をブロックチェーン技術で実現できないか、実証実験の動きが出てきた訳です。

保険証券の電子化が叫ばれたのは20年以上も前の話。
当時はセキュリティーの課題、関係者間でシステムを同一化する際のコストの問題がありましたが、ブロックチェーン技術で漸く解決される可能性が出て来ました。

フィンテックについては、一般社団法人フィンテック協会が設立され、保険部会も開催されています。最近、当協会と接することがあり、そこから保険業界のフィンテックについての斬新な提案を観る機会が増えていて、Dr.ウエノも可能性を感じ始めています。

どんな全く新しい「形」が出来るのか、注目したいと思います!

10のポケット

  • 2017/04/14
  • Dr.ウエノの保険コラム

昔は「6のポケット」と言われていたのが、最近では「10のポケット」と言われています。
さて、この文章だけで何のことか理解できますか。

実は、「子どもにお金を出す人の数」を言います。
「6のポケット」とは、「父親」と「母親」に、「父方の祖父」と「祖母」、「母方の祖父」と「祖母」の、合わせて「6つのポケット」という事です。
確かに、子どもに対して、これは父方の両親が、あれは母方の両親が負担するといった暗黙の了解というものがありますよね。知り合いも孫のためにお雛様を買いましたが、これは父方の両親が買ってあげるものという変な決まりがあるとのことで購入を決めたと言ってました。孫に対しては、お祖父ちゃん、お祖母ちゃんは本当に弱いですよね。

それが最近は「10のポケット」に変わったと報道されていました。
要するに新しいポケットが4つ増えた訳です。
それは、「叔父」、「叔母」、「友人」、「友人」のポケットだそうです。
「友人」は、結婚していない、子どもを持たない友人が周りに増えていて、この友人が何故か友人の子どものために色々なモノを買ってあげて喜ぶという図式が出来上がっているようです。

この10のポケットを背景にでもないとは思いますが、西松屋チェーンは22期連続の増収だそうです。イオンも、子ども関連の大型の商品売り場を2020年2月期までに今の3倍に増やすと表明しています。

財布が10個もあれば、大抵のモノは買えますよね。
従って、キッズマーケットに向け、10のポケットを意識した工夫を考える必要があると考えます。
流石に、叔父さん、叔母さん、友人が、「保険」に加入してくれることは無理ですが、この新しい4つのポケットから元々の6つのポケットに向けて「保険に加入するよう働きかけるような展開」が出来ないでしょうか。

特にポイントは「友人」だと思います。
「結婚していない、子どもがいない友人」は、恐らくは「保険好き」な方が多いと思います。資産形成系、変額保険等といった保険に好んで加入する方たちから情報をママ達に発信させることができれば、子どものために保険が如何に有効かを理解しやすいかと思います。
そのためにも「働く女性のマネーセミナー」等といったセミナー企画・実効が肝になると思います。「友人」から「友人のママ」に、「友人のママ」から「ママ友」にという連鎖を起こさせることが大切だと思います。

「働く女性のマネーセミナー」は「友呼びセミナー」!!
こう考えれば、セミナーの中で「これはお知り合いのママに是非伝えて下さい」というフレーズを上手くハメ込んで行く内容に少しアレンジしては如何ですか。

政府が保険を使って失業対策支援??

  • 2017/04/07
  • Dr.ウエノの保険コラム

政府は特定企業に属さずに働くフリーランスを支援するため、失業や出産の際に所得補償を受け取れる団体保険の創設を提言すると報道されました。

損害保険大手と商品を設計し、来年度から民間で発売してもらうとされていますが、保険は「事故性」が求められる商品です。損保の傷害保険の保険金支払いのための三要素として定義されている「急激・偶然・外来」が特徴的だと考えますが、今回の「失業」が事故にあたるのか極めて疑問です。

保険を活用して業界を支援するという事では、自動車保険などは顕著な事例だと思います。こんなにモータリゼーションになった背景には、自動車事故による保険金支払いを耐えつつ自動車業界を支えた保険会社の存在を抜きには考えられません。自動車保険については国が自動車賠償責任法という法律を作り、車検の際に「自賠責保険」加入を強制加入とし、保険会社を窓口に保険料徴収させています。一時は「走る凶器」とも言われ事故も多発していた自動車ですが、技術の進化、インフラの整備等もあり、大幅に事故は減り、今では損保業界の屋台骨を支えるほどに自動車保険は進展しました。
地震保険も国が再保険を担っていますので、今回の保険も入口は保険会社に作らせて国が再保険を受けるつもりなのでしょうか。
そういった意味では、非常に関心を持っています。

因みに、「フリーランス」は、複数の企業と特定業務で契約したり、個人事業主として働いたりする働き手を指します。IT(情報技術)の進化で米国などでは急増しており、日本でもシステム開発やウェブサイトの制作を手掛けるデザイナーや技術者、翻訳家、ライターなどフリーで働く人が増えており、しかも女性の活躍も目立つそうです。
しかし、日本では企業の正社員として働いていない人については、社会保障制度が手薄な面があり、しかも契約が満了を迎えると収入が途絶えるといったリスクも大きいため、政府はフリーで働く人への支援を手厚くする施策の柱の一つとして、この所得補償保険の創設を提言しているのです。
今年発足した業界団体「フリーランス協会」に加入すれば、保険料が最大5割軽減される「団体割引」の仕組みとするよう損保会社に指示するようですね。
なかなか踏み入った指示を出してまで、特定業態を支援するという形態はなかなか稀だと思います。

米国ではフリーランスが労働力人口の35%にあたる5500万人規模に達しており、日本でもクラウドソーシング大手社の推計によると、副業も含めた広義のフリーランス人口は1064万人に膨らんでいるそうです。

「失業をどう事故性に絡ませるのか」、「久しぶりに国による保険開発指導」と非常に面白い話なので今後も注視していきたいと思いますね。


P建て保険が最近出て来ましたね。

  • 2017/03/31
  • Dr.ウエノの保険コラム

昔は一般的でしたが、個別保険相談が主流になった中、完全に下火になったP(保険料)建て保険商品が復活しつつありますね。

楽天生命の「スーパー2000」が代表的ですね。
20歳から59歳の健康な方がご加入できる商品ですが、保険料は「男女問わず」一律「一口2000円」です。という訳で「スーパー2000」という商品名になっています。
保障内容は、病気またはケガによる入院を担保したり、がん治療給付金を一年に一回給付したり、病気または不慮の事故による死亡保険金も支払え、更に1年間入院しなかった場合には健康祝い金が支払われるというものです。この健康祝い金は20~39歳の男性で6000円、同女性で5000円となります。
これで、保険料毎月2000円で、最大2口まで加入できると言うもの。
流石にP建て商品は分かりやすいですね。
当然、保障金額は年齢ごとに異なり、疾病入院給付金日額で言えば、20~39歳で6000円であるのに対し、55~59歳は2500円と変化します。

損保ジャパン日本興亜ひまわり生命は、何と月々500円の「リンククロス」という商品を投入して来ました。
「臓器移植医療給付金付先進医療保険」が正式名。
先進医療の技術料を通算2000万円までと臓器移植医療給付金1000万円の保障を、年齢や性別にかかわらず月々500円の保険料でカバーできると言う商品です。
特約でなく単品として販売していて、20~69歳まで加入可能、保険期間は1年間で、クレジットカードのみ決済可能という特徴のある保険になっています。
「パッと見」は、面白いですよね。

このようにR建て保険が相次いで販売されています。
お客様とのお話しの中で、意向把握する必要がありますが、必要な保障がP建てて加入できるという商品はお客様にも分かりやすく、勧めやすいと思います。ひまわり生命のリンククロスなどはニッチな隙間にアドオンで勧めるには、ワンコイン500円ですので説明しやすいですよね。

こうしたP建て保険商品は今後益々拡大すると考えています。
パンフレット売りの時代から、個別保険相談を通じてお客様と一緒になって複数の保険会社の商品からお客様にマッチした保険を選択して行くという時代を経て、特約的な保障に絞って保険料建てでの保険を隙間に加えつつ安価な保険料故に「解約リスクの少ない掛捨て保障型保険」を販売する戦略が明確化して来ました。

資産形成系保険については、各社、夏に向けて変額保険が市場に投入される予感がしますが、掛捨て保障型商品は説明のし易い、メディアを通じても拡散し易いP建てが今後間違いなく主流になると考えます。
保険会社は保険代理店にこのP建て保険をOEMで卸して販売拡散させたら余計面白いと思いますね。

保険会社と地方自治体等との提携

  • 2017/03/24
  • Dr.ウエノの保険コラム

最近、保険会社と地方自治体等との提携が新聞に掲載されています。
お気づきでしょうか。

日本生命は「沖縄県」と健康増進やがん対策、高齢者支援などを含む包括的に連携協定を締結したと報道されました。
日本生命は沖縄県内の16営業拠点を活用し、熱中症予防の啓発といった健康増進活動やがん検診の受診を促すための情報発信などで広く協力するという協定です。

「東京都」は民間企業・団体と複数の政策分野にまたがって連携を進める「ワイドコラボ協定」と呼ぶ取り組みを始め、地域の防犯や見守り、働き方改革、文化・スポーツ振興など様々な分野で包括的に協力する形を想定し、官民一体となって地域貢献や住民サービスを充実させる第1弾として第一生命保険と協定を結んだと報道されました。
健康増進や生活と仕事の両立(ライフ・ワーク・バランス)と女性の活躍推進など7項目で協力を進める内容でした。

また、明治安田生命は「北海道」の北洋銀行と地方創生を目的とした連携協定を結んだと報道されました。
産業振興や健康支援、子育て支援など多岐に及ぶ項目で協力するとのこと。産業振興では明治安田生命の異業種交流会を道内企業に案内するそうです。

こうした展開が最近、目立ちますね。

因みに、一般社団法人保険健全化推進機構結心会は「世田谷区の児童虐待ネットワーク構成員」となって2年目を迎えています。
損害保険の更改で、或は生命保険の新規契約取得のため、お客様のご自宅にお邪魔した際に、例えば3歳くらいのお子さんが部屋の片隅に正座して黙って1時間以上座っていたという状況を垣間見た際には、これを異常と感じて結心会に伝えていただければ、結心会から世田谷区に「児童虐待の可能性あり」と報告し、世田谷区が裏付けを取り、万が一、虐待が発見されれば直ちに児童を保護できるという仕組みです。
「地域に支えられている保険代理店が地域社会を守る!」
こんな思いで参画させていただいています。

こうした社会的貢献をすることでお客様の評価は間違いなく上がると考えています。
地域に貢献し、社会を微力ですが支えて行く「作業」を保険代理店や保険会社がすべきだと常々発信していますが、少しずつ進んで行っている感じがしています。

保険会社に任せるのでなく、地元の保険代理店も直接、自治体や銀行等に行って、自治体の施策の一部を一緒に手伝わせて下さいと提案下さい。
どぶ板営業をしてきた保険代理店だからこそ出来得ることだと思いますよ。