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置き配は「家財」 改めて「家財とは」を考えてみる

  • 2020/08/24
  • Dr.ウエノの保険コラム

損害保険ジャパンは来年1月から、宅配業者が受取人宅の玄関前などに届ける「置き配」の荷物について、「標準的な家財保険の補償対象とする」ことを決めたと報じられました。

これで、契約者は置き配された荷物が盗難に遭った場合でも、その他の家財と同様に再購入費用を保険金として受け取れるようになります。損保業界の方から見ても、なかなか面白い発想ですよね。

置き配は新型コロナウイルス感染拡大による宅配需要の高まりを背景に広がっていますが、従来の家財保険では屋外に置かれた荷物は「家財」とみなされず、盗難に遭っても受取人側の保険では補償できませんでした。損保ジャパンは家財保険を含む「火災保険の約款」を来年1月に改定し、置き配への補償を可能とするとしています。

この「約款」をご覧になった方はいらっしゃいますか。
保険証券と共に何か分厚い書類が入っていて「約款」と書かれているのに気づいた方はいらっしゃいますか。気づいた方も中身をみたら小さい字で一杯書いてあって読む気はしなかったと思います。損害保険の場合、どんな場合に保険金を支払ってどんな場合には支払わないかを明確に記載されているのが「約款」になります。従って、読んでいるのは保険会社社員ぐらいでしょうか。保険会社社員だと常に鞄の中に保険種目ごとの約款が入っていると思いますので、今度、保険代理店の皆さんのところに損保の社員が来たら「約款持ってる」と聞いていただき、もっていたらちゃんとできる社員だと試してみて下さい。

折角の機会ですから、ここで「家財」に焦点を当てて問題を出してみましょう。
Q1  有名な陶芸作家のお茶碗400万円のモノが家にあるけど保険の対象?
Q2 現金をタンス預金しているけど、家が燃えた際には火災保険ででるよね?
Q3 たばこの不始末でボヤを出してしまい、机に置いてあったスマートフォンが燃えたけ
ど保険金出るよね?
Q4 自身のパソコンにうっかりして珈琲こぼして壊れたけど、火災保険の対象?
Q5 曽祖父がバイオリンの楽曲者で家に300万円はすると言われていているバイオリンが
あるけど燃えたら保険金出るよね?
Q6  子供たちが室内でボール遊びをしていて、テレビにあたって液晶画面が壊れたのだけ
ど、火災保険で出ないの?
Q7  たばこの不始末でボヤを出して慌てて消火器をまいて消し止めたが、テレビやビデオデッキ、カーテン、衣服等々が消火器の溶剤で濡れて使えなくなったり汚れて使えなくなったりしたけど、これって火災保険で出るよね。
Q8 眼鏡を誤って自分で踏んでしまって壊したけど、これって火災保険で出ないの?
Q9 タブレットを見ながら家の中を歩いていて誤って落として壊してしまったけど、家財として保険金出ないの?

良くあるケースと思えるものを思い付きで幾つか列挙してみました。
保険会社の社員はもちろん、損保代理店の皆様もお試し下さい。

賃貸住宅に入居すると家財保険と借家人賠償保険をセットにした保険加入を義務づけられ
ますが、「家財」の保険って底が深いので、一般のお客様は加入の際には「こんな場合は保
険は出るの」とたくさん質問して、納得して保険加入されることをお勧めいたします。

車も家も行かずに買う時代が到来 セールスレディも終焉か

  • 2020/08/17
  • ネクタイ派手夫の保険流通革命メルマガ

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で5月の国内輸入車販売台数は前年同月比でほぼ半減し、来店での商談が当たり前だった自動車販売の現場も変化を迫られていることが紹介されていました。
 
紹介されていたのは、販売店運営のジャガー東京(東京・世田谷)で、当該社は「商談から納車までオンラインで完結できる販売システムを導入」したそうです。
このシステムを利用したお客様のコメントも紹介されていて、「ネットで事前にいろいろ調べていたので、オンラインでのやりとりでも特に不便は感じない」のだそうです。最終的に一度は来店する客も多いそうですが、「最初の窓口としてのオンライン商談の効果は予想以上に大きい」と手応えを感じているとのことでした。
 
自動車販売では「販売員の人柄」や「接客態度」が『購入の決め手』になることも少なくなかったですが、オンラインではこうした伝統的な手法が伝わりにくい点もあり、ネットを活用しつつ、いかに客との距離を縮められるかが今後の改善点になるのでしょうね。

車と並び、高額消費の代表格であるマンション販売でもオンライン活用が進んでいるそうで、三菱地所レジデンスは「新築分譲マンションのオンライン接客」を全国の物件に広げたそうです。マンションギャラリーでは、担当員がパソコンの画面上で、顧客と仮想現実(VR)のモデルルームなどを一緒に見ながら商談を進めているそうです。これで成果が出るのかと懸念があると思いますが、何と同社のオンライン接客の実績は8月10日時点で、全国40物件で累計413件にも及び、商談全体の5%程度を占めるそうです。この成約に至った割合は「モデルルームでの対面営業とほぼ同じ」だそうですからちょっと驚きの結果だと思います。マンション販売では今後もオンラインと対面の両方を組み合わせ、『新常態』として定着させたいとしていました。

となると、家や車に匹敵する「高額消費」の保険は、同じ道を歩くしかないのでしょうね。「新常態」として、保険も対面でなくオンラインとなれば、大手生保社のセールスレディは戦後75年を経て漸く役目を終えるのでしょうか。

ご存知のように生保のセールスレディは終戦後の戦争未亡人が子供たちを育てるために仕事をしないといけなかったことから国策的に生命保険会社に採用させたことからスタートしました。昔は「保険料は手集金」でしたので、毎月自宅等を訪問し保険料を徴収することからスタートし、今の保険販売に至りました。国策的な施策は未だに大手生保社では国体維持されていて今でも保険募集の6割はセールスレディで契約されている訳ですが、残念ながら「タブレットすら使いこなせない」現状がありますので、これがオンラインになると「わからなくて出来ない」という方が多いと思います。これは損害保険の代理店でも同じで平均年齢60歳を超えているといわれる専業代理店の方もオンライン化についていけないので保険会社としてはこうした代理店を淘汰していくしか手がない訳でバッサバッサと切っている訳です。

新型コロナの影響で、オンライン化がガラパゴス状態だった保険業界も一挙に変わろうとしています。「旧常態」である多くの人を抱えて対面で保険販売する形から、一挙にオンラインで申込みまで出来る「新常態」に変わる中、日本独特の生保募集チャネルである生保セールスレディも大きく変わる時を迎えていると思います。

空いているホテルを使ったテレワーク

  • 2020/08/17
  • Dr.ウエノの保険コラム

今住んでいる東京・芝浦の周辺にもホテルが次々とオープンしています。東京オリンピックと訪日客需要を狙っての開業だと思いますが、残念ながら人が入っている感じが全くしません。こうした背景を利用して、「空いているホテルの部屋等をテレワーカーに時間貸しする」というビジネスを展開している社長と先般お会いしました。

新型コロナの影響で週に何度かはオンラインミーティングをやっていますが、自宅だとネット環境が悪くて途中で画面が固まったりしてうまく行かないことも多く、また画面でお子様が登場したり、ご飯ですよという声が聞こえてきたりしてプライベート感満載で戸惑うこともあります。こうした方向けに近くのホテルの「朝食会場を15分50円」から利用できたり、部屋そのものを30分最低500円で借りることができるサービスがあると便利で使いたいという方が多いと思います。部屋はベットはなくしてテレワーク専用に一部改装されているそうです。

利用者は会員登録を行い必要な情報を入力、わずか1分で参画施設の利用ができるようになるという優れモノで、施設ページで空き状況を確認、直接フロント設置のQRコードを利用開始時と終了時に読み取るだけで時間単価に応じた料金が登録アカウントに課金されるというスキームになります。

こんなサービスがあると、ほとんどテレワークで自宅にいるという保険会社の社員や、生保のセールスレディの皆様、保険代理店の募集人にとっては大変便利だと思います。電源、WiFi環境が整っていて、しかもドリンクサービス付きだということなしですよね。ということで、結心会を通じて会員の皆様に是非拡散して欲しいとの依頼を受けたものです。

地方や中小企業ではなかなかテレワークができないと思いますが、ホテルを活用すればできるようになりますよね。更に、ここに我々としては「1DAYテレワーク保険」なるものでも作って販売すれば、相当売れるかと考えています。新しい社会現象の中に必ず保険が生まれて来ます。そのためには、こうしたスタートアップ企業と最初に提携して相互支援することだと考えています。

6月の結心会定例会で紹介した「ドローンを活用して田んぼに農薬を散布する事業に新規参入しませんか」というアイテムも導入いただく保険代理店も増えており、異業種・異業態の企業の参入も相次いでいます。となると「ドローン保険」を取らない訳にはいきませんよね。

このようにスタートアップ企業と提携して新しいビジネスに保険代理店も参入しつつ、併せてこの分野に必要な保険を考え併せて行けば、保険事業にも結果つながっていくのです。
こうしたことも含め、結心会では保険以外で収益になるありとあらゆることに挑戦しようと常に動いています。

9月8日~9日開催の第47回結心会定例会の中でも、こうしたアイテムをご紹介します。
保険手数料が下がる中、且つお客様と会えないことで保険募集自体が停滞する中、保険外収益を求めたいという方は是非定例会にご参加下さい。関心を持たれた方は、結心会のホームページから定例会の欄をクリックいただき、スケジュールを確認いただき、申込下さい。多くの方のご参加をお待ちしています。

お客様目線での保険代理店統合を目指しましょう

  • 2020/08/11
  • Dr.ウエノの保険コラム

あいおいニッセイ同和損害保険は、一定条件下でシステムに運転を任せられる「レベル3」の自動運転車を対象とした保険を開発したことが報じられました。
「人間の運転よりも安全」との前提から、自動走行中は保険料を無料とするというもので、「レベル3」車の年内実用化を見越してなんと今年10月から販売を始めるということです。

「レベル3」は高速道路の渋滞時などに、運転手が直ちに対応できる状態であれば走行中に前方から視線を外すことができる水準。あいおいニッセイは「保険で自動運転車の普及を後押ししたい」として、メーカー各社との連携を目指すそうです。保険料はメーカーが提供する車の走行データから計算。基本保険料はそのままですが、走行距離などに応じて変動する「運転分保険料」が自動走行中は無料となるそうです。一般的な契約条件で年間1万2000キロを走り、半分の6000キロを自動走行した場合、年間保険料の1割弱に当たる1万円程度が割り引かれるとしています。

自動運転普及により、自動車保険は6割がなくなると言われていますが、「まだ先のこと」と思っていた現実が、そこまで来ようとしています。
トヨタや日産、BMWは新車のサブスクリプションサービスに注力していけば、保険代理店の出番は自動車保険ではなくなりますよね。

損保ジャパン社は、企業向けの保険で「オンラインで保険契約を結べる」ようにして、オンライン会議や電話で商品内容を説明し、「押印や署名は不要」とすることを発表しました。これで、益々「保険代理店は必要ない」という状況になろうとしています。

東京海上は「1県に1代理店」で十分と言っていて、損保ジャパンは「1代理店10億円」ないと代理店として存在不要として損保ジャパンが指定する「PA(パートナエージェント)」への統合を進めていますが、こうした背景を考えると当たり前と言えると思います。

そもそも「一匹狼」的な人が多い損保代理店が複数合体しても「船頭多くして船山に上る」ですので、うまく行っている代理店を見ることは少ないですね。中途半端に10億円とかでまとまるのではなく、いっそ100億円を超す規模にすれば管理する組織も作らなければならないのでまとまると思います。既にKRCとかE保険プランニングとかの合体代理店がいくつか登場していますが、現状は単に合体して「保険会社から潰されないようにする」、「合体することによって手数料ランクを上げる」といった目的でしかありません。
要するに「お客様のため」でなく「自分たちのため」での代理店統合にしかなっていません。これでは「ほころび」が至る所に出てきて当たり前です。

何のために保険募集をしているのか。自身の収益のためでもありますが、それ以前に「お客様のため」という信念をもって取り組んでいる方が多いのが損保代理店だと思います。
夏休みの時間を活用して、もう一度「お客様のため」に何が良いのかを、今こそ考えて、どういう方向性に進んで行くかを考えてみて下さい。

ゲームの世界から保険ニーズにつなげる

  • 2020/08/11
  • ネクタイ派手夫の保険流通革命メルマガ

任天堂の人気ゲーム「あつまれ どうぶつの森(あつ森)」が好調で、2020年4~6月期の連結決算は営業利益が前年同期の5.3倍の1447億円と同期間では過去最高だったことが報じられました。「世界で外出を避ける動きが広がるなか、仮想空間で交流したい」という需要を取り込んだ結果で、企業や美術館などがこれに注目し、「商品や所蔵作品をゲーム内で公開して消費者との接点をつくる」という新たなビジネスのプラットフォームになりそうだと報じていました。

対戦要素が強く勝ち負けが存在する一般のゲームと異なり、あつ森は無人島の暮らしを「育てる」形に近く、ゲーム内で友達の無人島を訪問して一緒に遊んだり、探索できたりと離れた家族や友達とSNSのようにつながれる交流の場として機能している面が大きいため、任天堂によると、他のソフトに比べ20~30代の顧客が多く、4割以上が女性なのが特徴とされています。
ネクタイ派手夫はゲームはやらないのでわかりませんが、あつ森では通信機能を使い、服や家具のデザインを好きなものに変更できる「マイデザイン」という機能があったり、ユーザー同士で自慢のファッションや部屋の内装デザインを発信し合うのも楽しみの一つとされているそうです。こうした自由度の高さにいち早く目を付けたのが「ファッションやアート業界」で、ファンなら一目で分かるロゴや独自デザインを無料で公開し、「仮想ファッション」を提供する動きが出ているそうです。

こうした展開は興味深いですね。
最近、某ゲーム会社と結心会で保険の取組で提携しましたが、このゲームは対戦型のものです。対戦型ゲームをする際には武器の購入等で課金していくらしく、ネクタイ派手夫の知り合いで「月に60万円使った」という話を聞いて驚きましたが、その知り合いから「月に2000万円使った人を知っている」と聞いて想像を絶する感じを受けました。これだけのお金が支払えるので、当然富裕層になります。この富裕層に保険を提案しようということでリアルに保険募集人が必要ということで結心会として提携したものです。

「ゲームから保険へ」という新しい流れを作りたいと考えています。

マーケットは色々な所にあります。
人と人がつながる媒体が大きく変わろうとしています。新型コロナの影響でこうした展開が加速しています。「今まで通り」でやっていては、完全に時代遅れになってしまいます。
新しい人との出会いを求めて如何に動くかがポイントだと思い、最近は「マッチングアプリ」を作っている方とも接触しています。

保険業界はいきなり非対面のオンライン保険募集が主力となりましたが、人と如何に出会うかを増やすマーケッティングは不変です。
マーケティングに長けた保険代理店の集合体「一般社団法人保険健全化推進機構結心会」に問い合わせが増えています。
9月8日~9日の二日間、東京を会場に「結心会定例会」を開催しますので、是非ご参加いただき「結心会を体感」してみて下さい。
参加申込はGoogleで「結心会」を検索いただき、結心会ホームページの定例会のところから出来ます。会費は11,000円ですが、金額相当以上の情報を提供できると思います。
多くの方々の参加をお待ちしています。