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ライターによる事故

  • 2017/06/09
  • Dr.ウエノの保険コラム

ライターの残り火でやけどをしたり、車の中に放置したライターが破裂したりする事故が、7年半余りの間に700件以上起きていることがわかり、消費者庁が注意を呼びかけています。

消費者庁によりますと、ライターに関する事故はことし3月までの7年半余りの間に722件報告され、このうち死亡事故が1件、重傷事故が22件起きているということです。

最も多いのは、ライターの内部に入り込んだ小石などの異物の影響で残り火が発生し、火傷などの事故につながったケースで、209件ありました。
一昨年には、使用後に胸ポケットに入れていた使い捨てライターの残り火で服が燃え、男性が死亡したということです。この手の事故は過去も多く報告されていて、ライター使用後スラックスのポケットに入れたら着火して火傷したとか、逆に行列の中で煙草を吸おうとライターを着火したら前に並んでいた人のセーターに着火して火傷をさせたという事故もありました。

また、直射日光が当たる車の中など、高温になる場所に放置していたライターが破裂する事故も目立っています。
国民生活センターの実験では、気温が20度ほどの屋外に車を駐車した場合、2時間半後には車内の温度はおよそ46度、直射日光の当たるダッシュボードの表面温度は80度近くにまで達し、ライターを放置すると非常に高温となり、破裂などの危険があるということです。
このほか、子どものいたずらで火災につながったケースも報告されているということです。

消費者庁は、ライターを使ったあとは火が完全に消えているのを確認することや、車のダッシュボードの上やガスコンロの近くなど高温になる場所にはライターを放置しないこと、子どもの手の届くところにライターを置かないことなどを呼びかけています。

こうした事故に備えるため、ライターには賠償責任保険がセットされています。使い捨てライターをお持ちの方はライターの側面に貼られたシールに「賠償責任保険」の文字を確認できると思います。所謂、PL保険(製造物賠償責任保険)がセットされています。一番、「身近に感じられる保険」だと思います。
PL保険で言えば、「コンビニで貰うビニール袋」もPL保険を身近に感じられるモノの一つです。ビニール袋に何か印字された文言にお気づきでしょうか。ビニール袋を被って窒息する怖れがるとか、印字された文言が着ている服に付くこともあるので気を付けてといった「警告」が書かれています。「PL」は、製造物そのものの瑕疵だけでなく、こうした警告が不十分であった場合も製造業者が責任を負わざるを得ない仕組みになっています。

PL保険を身近に感じられるライター、コンビニのビニール袋等を一寸意識していただき、保険を身近に感じていただけると有難いですね。


問題解決策は現場にある!

  • 2017/06/02
  • Dr.ウエノの保険コラム

最近、保険会社の代理店会や代協支部で講演会をさせていただく機会を得ました。
Dr.ウエノを講師でお招きいただきました代協支部の皆様、保険会社の皆様、深謝申し上げます。
こうした場で、色々な保険代理店の方々と接することが出来ると大変楽しく思います。

今回も講演の後、多くの保険代理店の皆様と名刺交換をさせていただき、その後、メールで意見交換、情報交換をさせていただいています。
色々とお話ししていると、そこに問題解決の糸口が沢山出て来ました。

因みに、全国の保険代理店の皆さん。
皆さんが信頼に足る保険会社社員が今、いらっしゃいますか?

Dr.ウエノが以前勤務していた保険会社には、「20年に一度優秀な社員が来るので、この時に大きく飛躍する」という保険会社伝説がありました。
「優秀な社員」というのは、恐らく「腹を割って話し相手になる社員」という意味だと考えています。

「こいつなら」という社員が現れると代理店もプライベートも含めて色々な話をして何度も何度も話をすることで、取り組むべき方策が生まれ、信じた社員と一緒に取組むことで成果も生まれるという流れが伝説となったのだと思います。

保険会社勤務時代にDr.ウエノは少なくとも保険代理店さんと腹を割って話すことが出来る社員であったと自負しています。従って、講演が終わった少しの時間でも代理店さんと話していると色々と本音が出て来て、その解決策も意外と簡単に導き出すことが出来ます。

「すべては現場にある!」
改めて、こう感じました。

以前、某保険会社から社員向け研修の依頼を受けたことがあります。
テーマは「保険会社の営業社員が大手保険代理店社長と話が出来るようにするためには、如何にしたら良いか?」というものでした。このテーマは保険会社からの熱い依頼で引き受けさせていただきました。保険代理店経営者の方は多忙ですから、何の情報も意見も持たない保険会社社員と会ってられないですよね。でも、「こいつは」と思う社員には、何かある度に逆に意見を求めたいと思われますよね。「こいつは」と思われるためには何が必要かを社員に理解させる研修は好評でしたが、出来るかと言われると正直無理かなという気もあります。

「代理店主の心、保険会社社員知らず」を解消する研修、保険会社の皆様、導入されませんか?

代理店主に寄り添えなくて顧客に寄り添うことなど到底無理かと思いますよ。
少なくとも「保険代理店の店主、経営者は何を考えているか」くらいは理解されても良いかと思いますが、如何?

保険ショップの過去の成功体験

  • 2017/06/02
  • ネクタイ派手夫の保険流通革命メルマガ

保険ショップの過去の成功体験を未だに引き摺っている代理店が多いですね。

過去は過去です。

今は顧客動向、ニーズが日々大きく変化しているのに、これに目を瞑って過去の成功体験を未だに信じて取り組んでいる保険ショップでは先行きはありません。

セブンイレブンがここまで続いたことについて「日々、何らかの形で変化させてきたから」と有名な経営者の方が仰っていましたが、その通りだと思います。

何度も言っていますが、保険ショップは「サービス業」です。「保険代理店業」ではありません。従って、顧客の変化を「感じて」、常に「変化」させることでのみ生き残れると考えています。故に成功体験を顧みてはダメです。
折角、日々、お客様と接して、生の声を聴いているのですから、この声を反映させたショップにしなければ、ショップとしての意味がありません。うちは料理に自信があるから変わらない味で繁盛を極めた商品を相変わらず売り続けているというレストランが続くと思われますか。保険ショップとは名ばかりで一店舗だけを頑なに守っていくという体ではそれでも良いかと思いますが、少なくても複数店舗を広域に展開しているのであれば、経営者は常に店舗に顔を出し、スタッフと話し合い、現状をきちんと把握し、イベントくらいは参加して顧客に直接接して、肌感覚で、お客様が何を求めているかを理解すべきです。

保険ショップの経営者の皆様、出来ていますか?

・出店している商業施設のマネージャーさんといつ会いましたか?
・マネージャーさんと会って最近の商業施設自体の状況をきちんと把握していますか?
・商業施設に行く時は従業員専用入口から入ってバックヤードに掲示されている色々な紙
媒体を見ていますか?
・商業施設に行く際はバックヤードにいらっしゃる従業員さんの数を把握して、相当数の手
土産を持参していますか?
・商業施設に行ったら、全てのフロアを回り、たまに繁盛している店舗に入って、客を装って当該店舗のスタッフと話をして情報を入手していますか?
・商業施設に行ったら駐車場をチェックして、車の種類で来店している客層がどういった層かをチェックしていますか?
まだまだありますが、こうしたことをしないで、過去の栄光を未だに信じて、過去のやり方を引きずってやっているようでは、この保険ショップM&Aバブルのうちに売却された方が良いと思います。

日々、お客様の変化を感じて保険ショップ自体を変化させているからこそ「保険ショップ経営は面白い!」のです。
保険ショップ経営者の方で、今、経営が面白いと感じられていなければ、今あるすべてを断捨離してみることをお勧めいたします!

生保社の海外戦略

  • 2017/05/26
  • Dr.ウエノの保険コラム

最近、生保会社の海外戦略がメディアで目に付くようになりました。
お気づきでしょうか。

例えば、タイ。
東南アジアの新興国で最も保険浸透度が高いタイは損保も含む保険料収入で、2015年に国内総生産(GDP)比5.5%と1990年の1.6%から飛躍的に伸びています。
 
タイでは、何と日本生命が24%出資するバンコクライフで「生保レディー」制度を導入しています。営業職を40人雇用し、日本と同じように各担当者が特定企業を毎日訪問するほか、セミナーを開催したり、パンフレット配布したりいます。
営業拠点では毎朝朝礼が行われ、個人の営業成績を示すグラフなどが掲示されなど「日本流」を武器に新たな顧客を掘り起こそうとしています。
興味深いですよね。
しかも、このバンコクライフは、カンボジアでも営業を展開し始めました。

そして、中国。
ここでも日本生命が富裕層を主な対象とした医療保険を売り出しました。
加入者ががんになった場合、追加費用なしで、「日本で治療を受けられる保障」がついているのが特徴。中国ではがん患者の増加に伴い、日本での治療を希望する人が増えているといるとのことで、外国人に高度医療を提供する医療ツーリズムの需要掘り起こしにもつながるとみられています。 

日本生命が3割出資する中国政府系金融との合弁生保「長生人寿」が販売窓口となり、加入者ががんになった場合、日本で治療を受けるのに必要な旅費や滞在費、治療費などを原則として保険金でまかなう仕組み。 医療機関仲介などの日本エマージェンシーアシスタンス(EAJ)と提携し、EAJが提携する国内1000の医療機関から、患者の症状や希望に応じた病院を紹介し、医療ビザ取得などの手続きも代行するそうです。長生人寿が治療費を支払うため、医療機関が取りはぐれる心配がないのも利点とされていました。 
 
中国の生保市場は米国、日本、イギリスに次ぐ世界4位の規模。
国内生保では明治安田生命保険や住友生命保険も進出しています。
日本では平均寿命も延びる中、アジアでの保険販売は今後、急伸すると考えます。
日本生命の中国での医療保険販売は「日本で治療が受けられる」というエリアを超えた展開となっています。
先般、バンコクに行った際に高速道路上に「AH1」の表示を発見し、このアジアハイウェイの起点が東京日本橋で、トルコまでつながっていると聞いて、「アジアは一つ」という意識を強く持つことが出来ました。保険を通じてアジアを一つにすることが出来る流れが来ていると思います。

アジアの保険マーケットは大きく変貌する予感がしています。


改正保険業法施行から1年

  • 2017/05/26
  • ネクタイ派手夫の保険流通革命メルマガ

昨年5月29日に改正保険業法が施行されて1年が経ちます。
この一年間で色々な変化があり、「フィデューシャリー・デューティ」、「プリンシプル」、「ベスト・プラクティス」等々といったカタカナの用語が普通に使われるようになりました。
そこには金融庁自体の改革があります。

今回は、金融庁が推し進める三つの改革を理解しましょう。
①金融庁の改革
 皆さんは、金融庁の存在意義をご存知でしょうか。
 それは「国民の厚生の増大」です。
つまり、金融庁は「国民、生活者のためにある」のです。
そのために「業界規制庁」から「産業育成庁」に変わろうとしています。

今の金融庁の凄いところは、「過去のやり方は間違っていた」と認めたことです。
「過去のやり方が間違っていたので改める」として、言い方は適切ではないかもしれませんが、野球で言うと「アンパイア」から「コーチ」にいきなり変わろうとしています。
金融庁が出来て20年で、金融庁自体が改革を率先して取り組んでいるのです。

②地方銀行改革
 そして、改革の主軸を地方銀行改革に持って来ました。
現在、個人資産の総合計は1700兆円、そのうち預貯金は920兆円と言われています。
こうした個人資産を「再起動」させるために銀行改革を推し進めています。
昨年の「地方銀行窓販での保険商品販売手数料自主開示」も、この流れの一環ですね。
 金融庁は、銀行の数が明らかに過剰と解釈していて、能力のない銀行はいらないと明言しています。
能力のない銀行とは、例えば担保を取ってお金を貸す行為を指します。
金融庁は、担保を取ってお金を貸す行為は小学生でも出来る行為であり、金融のプロである銀行員は企業の将来性であったり、地域への将来の貢献度であったりといった幅広い尺度から判断して融資すべきであり、企業を育成する役割を担うべきだとしています。まさに正論ですよね。
そのために銀行への検査の在り方を変えるとしました。従来の重箱の隅をつつくような検査を止め、本来あるべき金融の仕事をしているかの検査に変えるとしました。地方銀行故に、それなくして地元で存在価値はないとし、自分達が金融機関として仕事をすれば、リターンを得ることが出来るはずと指摘しています。
③資産運用改革
 預金を投資信託等にシフトさせ、預貯金で眠っている920兆円を再稼働させる改革です。そのための一つとして資産運用を活性化するために個人投資家向けの勉強会を普及させたいと言ってます。日本では金融の勉強を子どもの頃からやっていないので、お金がお金を生むやり方自体を好まない傾向にありますよね。これを欧米並みに近づけたいと動いていて、投資商品自体の認可も積極的に動いています。
個人投資拡大を期待して登場したジュニアNISAは記憶にある方も多いと思いますが、意外にも9万件しか売れず、ついに来年1月、金融庁が押し切った形で「積立NISA」が登場します。

以上が金融庁の推し進める3つの改革です。この基本ラインを踏まえて、保険業界は如何になるべきかを考えていく必要があると思います。