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ガソリン車がなくなる 向かい風の時だからこそ前に進む

  • 2020/12/14
  • Dr.ウエノの保険コラム
経済産業省が2030年代半ばに国内の新車からガソリン車をなくし、すべてをハイブリッド車や電気自動車などにする目標を設ける方向で調整していることがわかったと報じられました。日本として明確な目標を掲げることで、世界で進む脱ガソリンの動きをリードしたい考えです。菅総理大臣が2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする考えを示したことを受けての展開ですが、およそ15年後には新車の販売ではガソリンエンジンだけの車をゼロにし、すべてをいわゆる「電動車」にすることを目指すことになります。

こうした中、東京都は一歩踏み込んで都内で販売される新車について乗用車は2030年までに、二輪車は2035年までにガソリンエンジンだけの車をなくし、すべてを電気自動車や燃料電池車などにする目標を打ち出す方針を固めたと報じられました。東京都も、将来にわたる気候変動対策として2050年に都内の温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることを目指しています。都の目標は乗用車については、国よりも5年程度、早めることになり、東京がけん引して温室効果ガスを出さない取り組みを進める姿勢を示すねらいがあります。
東京都は、今後、電気自動車などの世界的なレースを都内で開催するなどして、都民や事業者の機運を高めたい考えです。

最近やたらとSDGsがクローズアップされていますが、なかなかの展開ですね。
自動車メーカーとしても今後「自動車は家電」となりますので、ソニー等の家電メーカーが進出してきて価格も下がっていくのでしょうね。トヨタはいち早くモビリティー企業への業態変化を発表し動いていますが、どこに向かうのでしょうか。電動車になれば、充電は家庭でもできますので、ガソリンスタンドもなくなりますね。複雑なエンジンもなくなれば車検という制度もなくなるのでしょうか。「脱ガソリン車」はこのように多くの企業の業態を変えて変えてしまいます。

当然「自動運転」がレベル5まで進めば、車を所有する概念自体薄れていくと思いますし、自動車保険もなくなると思います。自動車保険主体の損保代理店の多くも手数料が大幅に減るため、自動車保険依存型から脱却しないと生き残れませんね。保険会社各社が代理店の統廃合を推進している訳も分かりますよね。

モータリゼーションで支えられた世界が変わろうとしています。新型コロナ禍の中、企業は在宅勤務を進めましたが、意外と支障がなく仕事ができることがわかり、外資系損保会社などでは3月以降一度も会社に行っていないという実態です。出張もリモート会議で対処できるため出張族で一杯だった新幹線もガラガラという状況に至りました。移動する交通機関そのものが変化の予兆がありますので、自動車の位置づけも大きく変わると思います。

損保代理店の半分以上を占める整備工場やカーディーラー等といった「モータリゼーションチャネル代理店」も生き残って行くために何をすべきか真剣に考える時が来ていると思います。保険会社としてはSOMPOホールディングスが明確に業態変貌を視野に動き出していますので、ここを参考に取り組むことができることから確実に取組んでいくことが肝要かと思います。

「向かい風の時こそ前に進む」ことが大切だと考えますね。