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生命保険業界で議論されていたこと

  • 2017/02/10
  • Dr.ウエノの保険コラム

昨年末から今年にかけて、生命保険業界では、こんな議論がされていました。

◇現金・電子マネーへの交換が可能な他のポイント等サービスに交換することで、間接的に交換機能を有しているものは「特別利益の提供」に該当するのではという議論。

これは生命保険協会が自粛するとした図書券、ビール券等といった換金性のあるものを今後自粛すると発表したことに併せ、換金性のある各種ポイントについてはどう対処するのかという議論の中で生じているものです。

◇クレジットカード会社等の第三者が費用を負担しているサービスで「保険料の収納」によりポイントを付与されるものは、「特別利益の提供」には該当しないとの議論。

◇保険契約者間の「公平性」を保つ必要があるものの、実際の保険募集時においては、必ずしも全員に平等ということにはならないものと考えられますが、過度なサービス提供等によっては「著しく公平性を阻害するもの」で、「あってはならない」という議論。

◇募集関連行為従事者が見込み客等に現金や商品券等を提供する場合は、保険会社や保険募集人等は、募集関連行為従事者を通じて「特別利益の提供」を行ったこととなるとの議論。

◇保険会社が業務委託費、広告費、協賛金等の目的で、役務の対価あるいは販売促進策としての実態がない金銭等を供与する行為、保険会社がフランチャイジーから対価が支払われている業務に重ねて金銭を支払う行為、ある募集人が実質的に保険募集業務や代理店業務等を何ら行っていないにも関わらず、他の募集人と成績、手数料を折半する行為は、「法人等に対する対価性のない金銭の支払いその他の便宜供与」、「過度の便宜供与」の禁止等の監督指針を踏まえると不適切と考えるといった議論。

◇保険会社から提供される金銭の水準、インセンティブ等を理由に商品を推奨するといった事が無いよう留意する必要があるという議論。

当然、代理店が保険会社から提供される金銭の水準等を主たる理由に商品を推奨しているにも関わらず、「当該代理店における販売量の多さ」を推奨理由と装い、説明する行為は不適切とする議論。

◇保険会社が、保険募集人指導事業を行う保険募集人が指導対象保険募集人に行っている教育等と同内容のものを重複して行う必要はないが、各社が重要と考えられる教育等は保険会社が行うことが望ましいとの議論。

こうしたようなことが昨年末から議論され、今年1月19日に生命保険協会から「業務運営上の諸課題等についての確認事項」が全生損保会社に発信され、色々な動きが起こっています。

金融庁は大手保険代理店には「プリンシプルに基づくFD対策」も求めるといった発言をしていると聞きます。

保険会社を通じるのではなく、保険代理店自らでこうした対策勉強会をする必要があると考えますね。