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パラメトリック保険

  • 2021/09/06
  • Dr.ウエノの保険コラム
パラメトリック保険というワードをご存じでしょうか。
あらかじめ決めておいた災害条件に該当すれば、損害状況の調査を行わずに即座に保険金を支払うという保険で、保険のDXを牽引する保険だと思いますが、なかなか浸透しませんね。約20年前に生み出されたものですが、テクノロジーの進化でようやく定着する感じがしています。

パラメトリック保険としては、中国の衆安住線財産保険の航空遅延保険は有名で、航空機の遅延を指標として被保険者の登場予定の航空機が一定時間遅延した場合に保険金が支払われるシステムで、運航情報データを取得し保険金支払い処理をすることで、顧客が請求手続きをしなくても保険金が自動的に支払われるという優れモノになります。

日本でも東京海上社が「地震に備えるEQuick保険」を販売しています。
トリガーとなる災害の指標は、気象庁が公表する震度データで、契約者が居住するエリアで震度6弱、6強、7の地震が発生すれば、保険金の支払い対象となるというものです。
ここ数年、震度6弱以上の地震は、2018年6月の大阪北部地震や、同年9月の北海道胆振東部地震、19年1月の熊本県熊本地方の地震など複数回発生しており、直近10年で見れば、約30回を数えますので、ちょうど地震保険強化月間である9月に考えてみては如何でしょうか。

保険金額は5万~50万円で、プレミアムプランだと、震度7の場合に50万円、震度6強の場合に20万円、震度6弱の場合に10万円が支払われるという商品になります。
保険料については、一般の地震保険より少々高めに設定されていますが、持ち家でなく貸家でも契約が可能で、20歳以上の被保険者ベースのため、家族の人数分だけ契約することもできます。

地震絡みですと、震度6弱以上の地震が観測され家財が壊れた場合や緊急的に飲料などを購入した場合に被害の申告を行うと1万円の保険金を「LINE Pay」アカウントで受け取ることができるというLINE保険があります。しかも、この保険は「贈るほけん」と位置付けられていて、“大切な人を想う気持ちと一緒に、保険を贈る”をコンセプトとして、「LINE」のトーク上でメッセージカードと一緒に保険がおくれる新たな保険サービスとなります。その第一弾商品である「贈るほけん 地震のおまもり」は、500 円の保険料(保険期間1 年間 / 全国一律)を「LINE Pay」で支払うことで、購入することができ、本商品を受け取り、加入手続きをされた方(被保険者)が、ご自宅地域で震度6 弱以上の地震が観測され、前述の被害の申告を行うと1万円の保険金を「LINE Pay」アカウントで受け取ることができるというもので、「LINE」上で保険の購入から加入・保険金の請求・受け取りまでをワンストップで完結できる優れモノになります。

9月は地震強化月間です。保険代理店の皆様は、こうしたパラメトリック保険とかの話題をしつつ、地震保険の提案をされてみては如何ですか。いつもと違った切り口で宜しいかと思いますよ。