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保険代理店が横連携で個人情報銀行になるという提案を本気でやりませんか

  • 2021/10/04
  • Dr.ウエノの保険コラム
MS&ADホールディングスは10月、グループ一体でのビジネスを推進する組織を新設することが報じられました。
2022年度をめどにグループ各社が保有するデータを共同活用できるプラットフォーム(基盤)の開発に着手したいといしています。
グループの生損保各社が持つデータを連携させることで新規ビジネスの創出を構想するほか、地方創生に向けた取り組みなどを強化する構えです。
 
10月に「デジタルイノベーション部」を設置、同部が旗振り役となりグループ各社が保有するデータを共同活用しやすい形式に統一化できる基盤を整備することになります。
国内では損保3社・生保2社を擁する保険持ち株会社の強みを生かしたいとしています。
損保3社とは、三井住友海上社、あいおいニッセイ同和損保社、三井ダイレクト損保社、生保2社とは、三井住友海上あいおい生命、三井住友海上プライマリー生命となります。
 
この5社のデータを、例えば損保事業で得られる高齢者の運転挙動と、生保事業で得られる介護保険の支払い実績などを連動させ、認知症の早期発見・重症化予防といったサービスなどを検討するとしています。
 
地方創生の観点では高齢者の自家用車での移動データを分析し、運転免許を返納した高齢者向けに、自動運転車両などを走らせる実証実験などを実施する際、多くの住人が参加して効果検証しやすい走行ルートの策定などにつなげることが可能とみています。
 
グループ各社が単独で実施する場合に比べ、データの絶対量が増えることで精緻かつ信頼性が高い状態でビジネスに応用できることになります。
またコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)などを通じた投資実績が増える中、「グローバル事業開発部」も同時に新設し、事業投資に関するグループ各社の情報連携を密にすることで、重複するような投資案件を精査し、無駄のない事業投資を推進する考えを示しました。
 
なかなか興味深い展開だと思いますが、そもそも保険会社の有するデータって誰が取ってきたのかわかってますよね。すべて全国各地で頑張っている保険代理店の皆さんが取って来られたデータになります。
だったら保険会社に使われる前に保険代理店で使ってみるという提案をかなり昔からしていますが、こうしたSOMPOホールディングスに続き、MS&ADも動いたことでやる気が起きましたでしょうか。

現在、全国各地の整備工場さんの横連携を作って個人情報の質と量を上げる取り組みをしていますが、これは集めた個人情報を情報銀行化させ、ここから収益を取るために取り組んでいます。目先は生命保険の共同募集(整備工場さんの持つ個人情報をもとに地元生保プロ代理店との連携で、共同募集で成果を挙げる)ですが、根っ子は生保募集の課程で収集する個人情報入手になります。

そろそろ本気で取り組みませんか。