東京海上日動火災保険は主力の自動車や火災保険で、契約から支払いまでインターネット上で完結できる仕組みを導入することが報じられました。
オンラインで商品を説明し、紙で受け取っていた車検証や口座書類は電子化するそうです。
代理店の担当者は顧客の希望に応じテレビ会議形式で対応するそうです。
損保商品のネット販売はネット損保各社が先行しますが、最大手の東京海上も導入に踏み切ることになります。
東京海上社は年約1600万件の紙を伴う手続きを2021年から電子データに切り替え、2023年までのペーパーレス化をめざすそうで、2020年12月にまず自動車保険でオンラインの商談を始め、顧客は商品についてスマホやタブレットを通じて説明を受けた後、手元のスマホなどから契約手続きができるようにし、火災保険も順次対応していくそうです。
自動車保険に必要な車検証や火災保険のための建築年の確認書はスマホで撮影したものを受け付け、書類はクラウド上で管理し、必要な書類に漏れがないかを人工知能(AI)が判定するそうです。
保険料を支払う口座振り替えもネット登録を可能にすることで、口座振替依頼書への記名、なつ印、送付が不要とします。これまで手続きの10%弱で銀行印の不備などがあり、手続きに時間がかかっていた問題がこれで解消することになります。
東京海上社は19年以降、事故受け付けから保険金の請求まではネット対応への移行を進めてきましたが、今回の見直しで、契約から保険金支払いまで一連の流れがオンラインで済むようになります。
楽天損害保険は2021年1月から、住宅向けの火災保険について、契約者がインターネットで契約した場合の保険料を対面手続きより1割安くすることが報じられました。
災害の頻発で火災保険料は上昇が続き、契約コストの削減が急務となっており、新型コロナウイルス禍を機に損保のネット販売への移行が進みそうだと報じていました。
こうした損保社による加入手続きのネット化が進めば「保険代理店は不要」となりますよね。代理店に手数料を支払う必要がなくなれば、保険会社の収益は一挙に改善されますし、最終的には楽天損害保険のように保険料値下げにつながります。
不動産も旅行もオンライン化でリアル代理店は減少しています。
3年後に生き残るための代理店経営セミナーを各地で開催していますが、単純に損保の更改手続き等全てを保険会社がお客様と直にできれば、生き残るどころの話ではなくなりますね。
生保もネット完結型に移行するして行っていますので、「今、保有するお客様の個人情報を活かして如何に業態を変えていくか」というテーマに変える必要がありますね。
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- 2020/10/12
- ネクタイ派手夫の保険流通革命メルマガ
最近、保険代理店のM&Aを良く耳にするようになりました。
しかも、地方の代理店が多いです。その理由は「新型コロナ」です。新型コロナ下の中、何と「募集人がお客様に会いたくないとして辞める人が続出」していると聞いています。生保の訪問販売の新規契約だけでなく、損保の更改契約ですら行きたくないという募集人がいて、このままでは営業は続けられないとして「売ってしまおう」という形になっているのです。かつてないことだと思います。
東京にいると新型コロナの感覚が鈍いですが、地方に行けば「万が一新型コロナに感染すると街にいられない」という恐怖感が根強く、地元で生活し続けるのであれば、人と接しなければならない保険業界から去るという選択をされているのです。この状況下で新たに人を採用することもできず、人がいなくなるのであれば、経営が回らないので、今のうちに売却してしまおうと、高齢の代理店主だけでなく40代の若手代理店主までもが売却を検討されています。
また、こうした代理店を買いたいという代理店もいて、不思議と需要と供給のバランスが整っているようです。
新型コロナ下で、お客様も人と会いたくないということでオンライン保険相談に流れ、地方の代理店さんのマーケットを侵食していますが、保険募集人自身も人と会いたくないということで辞めたいということが地方で現実に起こっているのです。
「新型コロナなんか大したことではないという概念は地方では通じない」、これが地方の実態なのです。
客も流れ、募集人もいなくなる中、代理店としての運営は無理ですよね。こんな事態が発生するとは全くの想定外だと思います。このタイミングでの代理店の売却の経営判断は正しいとしか言いようがありません。
長年勤めてくれた募集人がいなくなれば益々お客様は地元の保険代理店から離れていきますよね。ここに、改正保険業法で求められる態勢整備が代理店の負担になり、続けたいと思っても生き残れない要因が積み重なっているという現状となっています。
特に損保業界では自動運転が普及すれば自動車保険の6割はなくなると言われています。こうした背景もあり、地方の損保代理店M&Aが一気に加速しているようにも思われます。
とは言え、生き残る方法はあるはずです。
新型コロナの中、これが正解というものは見出せませんが、見出すためには「個」では生き残れないので、M&Aの前にまずは代理店同士でネットワークを構築されることをお勧めしています。皆で色々な手法をトライして正解を見つけるのです。
一般社団法人結心会上では、11月17日~18日の2日間、定例会を開催します。全国の保険代理店のネットワークの一つでもある結心会にヒントがあるかもしれません。
是非ご参加してみて下さい。詳細は「結心会」のポーページをご確認下さい。宜しくお願い申し上げます。
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東京の代理店さんとお話する機会があって、最近どうですかと聞いたら「売り上げが1.5倍以上になっている」と回答いただきました。「何をやっているの」と聞いたところ「オンライン相談で地方のお客様との面談が急増したことが要因」と回答いただきました。今まで「地方」という距離で守られていた地方保険マーケットが東京の代理店に浸食されていること実態が良くわかる話でした。
皆さんのところは如何ですか。
地方の保険ショップはどうかというと、小職が聞いた限りでは「昨年より微増」で増収増益傾向にあります。FCではない保険ショップだと日々色々なことをやって「守りと攻め」をしっかり固めているので、こうした結果になっているものだと思います。
しかし、何もしていない損保代理店、地方の訪販主体生保代理店は、オンライン保険相談等々を通じて東京の代理店に浸食されていると思われます。お客様からは「保険相談したいけど三密や移動は嫌なので、家からオンライン保険相談できて助かりました」という喜びの声が上がっているとも聞いています。これでは浸食は益々進んでいきますよね。
対処するためには地方の代理店自らもオンライン保険相談できるようにすることだと思います。地元の知り合いの代理店でもオンライン保険相談できるのであれば、お客様はこちらに最初にアプローチされると思います。ホームページ作成会社に依頼すれば簡単にできますので、「守備固め」に早急に取り組んでみて下さい。
地方のお客様の浸食はオンライン保険相談を通じた生命保険だけでなく、損害保険にも及んでいます。否、むしろ損保の方がフックとして照会が増えていると思います。
景気が不透明な中、お客様は「コスト削減」に走ることは当然ですよね。家計の見直し=保険の見直し、法人でも経費の見直し=保険の見直しの構図は明白です。
以前もブログで紹介しましたが、地方の養豚場の火災保険が従来1200万円だった保険料が、都市部の代理店が色々な保険会社の保険料試算をして複数の保険会社での引き受けとしたことで、保険料は350万円に下げることとなり、結果、地方の代理店から契約は流出しました。
きっかけは当該社の経営コンサルをされている方に社長から相談があったということです。保険代理店は火災保険の更改にあたって社長ではなく、総務部長といつも面談されていて、今年も大丈夫と高をくくっていましたが、社長判断で切り替えられてしまいました。
損保代理店で法人契約をお持ちの皆様、常に法人の社長とお会いされていますか。
意外に社長とは接点がない代理店が多いと思います。
契約を守るために、個人ではオンライン保険相談を構築し、法人にはもっと積極的に社長と会ってコミュニケーションを取ることが、目の前でやるべきことかと思いますね。
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- 2020/10/05
- ネクタイ派手夫の保険流通革命メルマガ
アフラック生命保険は保険の提案から説明、契約までネットで完結できるシステムを稼働させ、10月末から全国展開すると報じられました。
アフラックは今年8月「ウェブ面談」システムを稼働させ、ビデオ会議を通じて年齢や病歴などに合わせて商品をカスタマイズし、最後は顧客がスマホ画面を指でなぞって署名することで営業担当者と直接対面せずに保険契約を完了させられるようにしました。コールセンターの営業担当者が電話越しに声をかけると、顧客のスマートフォン画面が自動的に切り替わり、関連する商品資料が表示され、会話の内容を基に人工知能(AI)が適切な対応を表示して、契約までの手続きを支援するというものらしいです。
これを10月末からは全国の代理店でも運用を始めるそうです。しかも、がん保険や終身保険、就業不能保険など、「代理店が手掛ける商品群を全てオンラインで提供できる」ようにするそうです。更に、ウェブ面談を通じて定量データを収集して解析すれば、顧客ニーズに即した商品開発や提案が可能になり、データ収集範囲が広がれば、保険に加えて遺伝子検査や人間ドックなど、予防分野への本格進出にも道が開けるとしています。
このあたりの展開まで視野に入れてスタートしているところは流石ですね。
生保業界のオンライン対応は遅れてきました。ライフネット生命保険などネット専業ならオンラインで契約が完結しますが、提供するのは定型商品が中心。新型コロナの感染拡大で日本社もいち早く動きましたが、明治安田生命は現時点では郵送でしか新規契約ができなかったり、日本生命もオンライン契約の検討を始めましたが、本格導入は来年以降になる見通しとなっています。
競合が苦しむ中、アフラックが感染拡大から半年でウェブ面談システムを稼働できた原動力は「アジャイル推進室」の存在があると報じられていました。デジタル化を目的に2019年に立ち上げた「全社横断組織」だそうです。社内公募で選抜した「プロダクトオーナー」に3億~5億円までの予算決定権と、プロジェクトに必要な人材を他部門から招集できる人事権を委譲したそうです。
アジャイルは「俊敏な」を意味する英単語で、「計画立案に数カ月、実際の開発に数年かかるようでは変化に対応できない」、「失敗を恐れずに着手し、システムを開発しながら改善を続けていく」という趣旨で命名されたそうです。
これが各保険会社に欠けていますよね。保険代理店でも小規模なのにこの「横断組織」ができないですよね。だから変化のスピードについていけない。お金があるから全てが完成した段階で根こそぎM&Aで買うというのも手だと思いますが、ちょっとさもしすぎる発想ですよね。
この「横断組織」を作るためには外部に舵取りを完全委任するしか手はないと思います。変なしがらみのない外部の人間がスパッと横連携を作る方法が一番時間をかけない唯一無二の方法だと思います。
「全社横断組織」を構築したいところは、株式会社インステック総合研究所までご一報下さい。宜しくお願い申し上げます。
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10月1日から「下期」に突入された企業も多いと思います。新型コロナで上期は何もできず下期で挽回というところも多いと思いますが、10月1日から色々なことが変わりましたので、新型コロナ禍の中、節約志向が強まった消費者の動向を予測するためにも、この辺りを押さえて、お客様にも発信して行く必要があると思います。簡単にまとめてみましたので、こうしたニュースを発信してみて下さい。
1.10月1日に暮らしに影響する税制などの変更がありました。
ビールの税金が安くなる一方、第三のビールやたばこの税金は高くなりました。ビール系飲料は主原料の麦芽の配合比率に応じてビール、発泡酒、第三のビールの順に酒税の税率が高いですが、政府は段階的に統一する考えで、10月1日からの税制変更はその第1弾となります。内訳はビールの酒税は350ミリリットル缶で77円から70円に下がり、第三のビールの酒税は同28円から9.8円の増税となり、割安さにひかれて購入してきた消費者の負担は増えることになります。
2.紙巻きたばこは1本あたり1円の増税となりました。
日本たばこ産業(JT)は一部を除いて1箱50円値上げとなりました。
3.新型コロナの影響で個人の所得は伸び悩む中、40県が10月から最低賃金(時給)を引き上げますが、上げ幅は1~3円にとどまります。中小企業の経営の厳しさに配慮したためで、全国で27円を目安として引き上げた2019年度から一変した形になりました。
4.政府は各地の景気を下支えする対策として、7月から旅行代金を補助する事業「Go To トラベル」に10月1日から東京都発着の旅行が加わり、旅行先で買い物に使える「地域共通クーポン」も全国で利用できるようになりました。また、飲食店の代金を補助する「Go To イート」のポイント付与も始まりました。
5.NHKが受信料を引き下げます。口座やクレジットカードから月々支払う場合、地上波の契約は35円値下げして月額1225円(税込み)に、衛星放送込みでは同60円下げて月額2170円となります。
6.3カ月以上の中長期にわたって日本に滞在する在留外国人の入国を再開されました。
駐在員や留学生らが対象で、入国後は2週間の自宅などでの待機を求めるとともに出国前に取得した検査証明の提出を条件とするとしています。
小職もJR東日本の「えきねっとトクだ値」で新幹線が半額になることを教えて貰いしました。
「家計見直し」の中で保険の見直しをしているわけですから、家計に直結するこうした情報を発信し続けることで、「お客様に寄り添っている」ことを実践できると思います。
月に一度はこうした発信をお客様に出来るように態勢を作って行きましょう。
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