アフラック生命保険は保険の提案から説明、契約までネットで完結できるシステムを稼働させ、10月末から全国展開すると報じられました。
アフラックは今年8月「ウェブ面談」システムを稼働させ、ビデオ会議を通じて年齢や病歴などに合わせて商品をカスタマイズし、最後は顧客がスマホ画面を指でなぞって署名することで営業担当者と直接対面せずに保険契約を完了させられるようにしました。コールセンターの営業担当者が電話越しに声をかけると、顧客のスマートフォン画面が自動的に切り替わり、関連する商品資料が表示され、会話の内容を基に人工知能(AI)が適切な対応を表示して、契約までの手続きを支援するというものらしいです。
これを10月末からは全国の代理店でも運用を始めるそうです。しかも、がん保険や終身保険、就業不能保険など、「代理店が手掛ける商品群を全てオンラインで提供できる」ようにするそうです。更に、ウェブ面談を通じて定量データを収集して解析すれば、顧客ニーズに即した商品開発や提案が可能になり、データ収集範囲が広がれば、保険に加えて遺伝子検査や人間ドックなど、予防分野への本格進出にも道が開けるとしています。
このあたりの展開まで視野に入れてスタートしているところは流石ですね。
生保業界のオンライン対応は遅れてきました。ライフネット生命保険などネット専業ならオンラインで契約が完結しますが、提供するのは定型商品が中心。新型コロナの感染拡大で日本社もいち早く動きましたが、明治安田生命は現時点では郵送でしか新規契約ができなかったり、日本生命もオンライン契約の検討を始めましたが、本格導入は来年以降になる見通しとなっています。
競合が苦しむ中、アフラックが感染拡大から半年でウェブ面談システムを稼働できた原動力は「アジャイル推進室」の存在があると報じられていました。デジタル化を目的に2019年に立ち上げた「全社横断組織」だそうです。社内公募で選抜した「プロダクトオーナー」に3億~5億円までの予算決定権と、プロジェクトに必要な人材を他部門から招集できる人事権を委譲したそうです。
アジャイルは「俊敏な」を意味する英単語で、「計画立案に数カ月、実際の開発に数年かかるようでは変化に対応できない」、「失敗を恐れずに着手し、システムを開発しながら改善を続けていく」という趣旨で命名されたそうです。
これが各保険会社に欠けていますよね。保険代理店でも小規模なのにこの「横断組織」ができないですよね。だから変化のスピードについていけない。お金があるから全てが完成した段階で根こそぎM&Aで買うというのも手だと思いますが、ちょっとさもしすぎる発想ですよね。
この「横断組織」を作るためには外部に舵取りを完全委任するしか手はないと思います。変なしがらみのない外部の人間がスパッと横連携を作る方法が一番時間をかけない唯一無二の方法だと思います。
「全社横断組織」を構築したいところは、株式会社インステック総合研究所までご一報下さい。宜しくお願い申し上げます。