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改正個人情報保護法が成立しました

  • 2020/06/08
  • Dr.ウエノの保険コラム
個人が望まないデータの利用停止を企業に請求できる「使わせない権利(利用停止権)」を盛り込んだ改正個人情報保護法が成立しました。
デジタル経済の拡大で個人情報も含めてデータの流通量が増え、プライバシーを保護する必要性が高まっていることに対応するものになります。
「勝手に自分の個人情報は使わせない」という権利が確立したことで、個人情報の管理は益々強化しないといけませんし、この機会に逆に「こんなことだったら情報開示しても良い」という個人情報に選別していくことも必要かと思います。
この改正を受けて、ウェブの閲覧履歴を記録した「クッキー」など個人情報には該当しないデータでも、企業が個人と照合して利用する場合は本人の同意を得ることを義務付けることになります。クッキー情報を巡っては2019年8月、就職情報サイト「リクナビ」が就活生の内定辞退率を分析し、企業に販売していた問題が発覚しましたが、こうしたケースを念頭に個人情報と同等に扱うよう求めることになります。
今後は、一定以上の個人情報を漏洩し、個人の権利に害を与える恐れがある場合などは、速やかに個人情報保護委員会への報告と本人への通知が義務付けられます。
保険の立場というと、個人情報漏洩保険は「売り時」、「攻め時」ですね。
一方、企業によるデータの利活用を後押しする制度も設けられます。個人を識別できないよう、氏名を削除するなどしてデータを加工した「仮名加工情報」の制度が導入されます。そして、社内での分析などに使う場合に限って本人からの開示や利用停止請求の対象外とすることとなります。
保険代理店も多くの個人情報を有しています。しかも、センシティブな情報がメインです。
こうした情報を氏名等を削除して、色々な傾向値等を社内で分析することは問題ないですので、むしろ「保険以外の情報を積極的に取りに行って」、数多くのデータを取り込み、分析できるようにしていけば良いと思います。
保険以外の個人情報を厚みを持って収集していけば、保険代理店のデータを活用したいという企業は必ず出てきますので、ここから個人情報銀行的存在に変わることができると思います。
保険以外の情報を入手する場合は、保険以外の商材を販売することが一番簡単です。既存顧客はすでにいますので、ここに保険とは近い存在の「健康をテーマにしたアイテムやサービス」を販売したり、「悩み事や困り事、何でも相談承ります」として個人情報を入手して、お客様に確認の上、それぞれのプロに繋いでフィーを得ることもできます。
保険代理店は「情報産業」です。
個人情報保護法改正のこの機会に、是非、個人情報を意識した取り組みを検討されては如何でしょうか。