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お客様目線での保険代理店統合を目指しましょう

  • 2020/08/11
  • Dr.ウエノの保険コラム
あいおいニッセイ同和損害保険は、一定条件下でシステムに運転を任せられる「レベル3」の自動運転車を対象とした保険を開発したことが報じられました。
「人間の運転よりも安全」との前提から、自動走行中は保険料を無料とするというもので、「レベル3」車の年内実用化を見越してなんと今年10月から販売を始めるということです。

「レベル3」は高速道路の渋滞時などに、運転手が直ちに対応できる状態であれば走行中に前方から視線を外すことができる水準。あいおいニッセイは「保険で自動運転車の普及を後押ししたい」として、メーカー各社との連携を目指すそうです。保険料はメーカーが提供する車の走行データから計算。基本保険料はそのままですが、走行距離などに応じて変動する「運転分保険料」が自動走行中は無料となるそうです。一般的な契約条件で年間1万2000キロを走り、半分の6000キロを自動走行した場合、年間保険料の1割弱に当たる1万円程度が割り引かれるとしています。

自動運転普及により、自動車保険は6割がなくなると言われていますが、「まだ先のこと」と思っていた現実が、そこまで来ようとしています。
トヨタや日産、BMWは新車のサブスクリプションサービスに注力していけば、保険代理店の出番は自動車保険ではなくなりますよね。

損保ジャパン社は、企業向けの保険で「オンラインで保険契約を結べる」ようにして、オンライン会議や電話で商品内容を説明し、「押印や署名は不要」とすることを発表しました。これで、益々「保険代理店は必要ない」という状況になろうとしています。

東京海上は「1県に1代理店」で十分と言っていて、損保ジャパンは「1代理店10億円」ないと代理店として存在不要として損保ジャパンが指定する「PA(パートナエージェント)」への統合を進めていますが、こうした背景を考えると当たり前と言えると思います。

そもそも「一匹狼」的な人が多い損保代理店が複数合体しても「船頭多くして船山に上る」ですので、うまく行っている代理店を見ることは少ないですね。中途半端に10億円とかでまとまるのではなく、いっそ100億円を超す規模にすれば管理する組織も作らなければならないのでまとまると思います。既にKRCとかE保険プランニングとかの合体代理店がいくつか登場していますが、現状は単に合体して「保険会社から潰されないようにする」、「合体することによって手数料ランクを上げる」といった目的でしかありません。
要するに「お客様のため」でなく「自分たちのため」での代理店統合にしかなっていません。これでは「ほころび」が至る所に出てきて当たり前です。

何のために保険募集をしているのか。自身の収益のためでもありますが、それ以前に「お客様のため」という信念をもって取り組んでいる方が多いのが損保代理店だと思います。
夏休みの時間を活用して、もう一度「お客様のため」に何が良いのかを、今こそ考えて、どういう方向性に進んで行くかを考えてみて下さい。