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生命保険各社が地方銀行株を売却

  • 2021/07/05
  • ネクタイ派手夫の保険流通革命メルマガ
明治安田生命保険の社長に就任された永島英器氏の取材記事が産経新聞に掲載されていました。その中で「保有する地方銀行株も含めた国内株式を、令和5年度までに簿価ベースで1500億円程度売却する方針を明らかにされた」とありました。

令和7年には保険会社に対し新しい資本規制が導入され、ソルベンシーマージン比率(不測のリスクに備えた支払い余力)の基準が見直されることになります。こうした中で、永島氏は「現在、長期的投資に偏っていたポートフォリオを見直す」とされ、価格変動リスクの高い株式を削減した上で、「短期的投資や中期的投資も行い、資産を売却することで得られるキャピタルゲインも含めた総合収益の獲得を目指す」と述べられています。さらに「健康増進と地域貢献に取り組んでいく中で、地銀の存在は大切」としながらも、今後の資産運用については「中長期的な企業価値を重視することは間違いない」と説明、その上で、「地銀株売却については地方創生や地域のインフラといった機能がある点を含め考える」と述べられています。

また、脱炭素社会への転換が国際的な潮流となる中、自社と投資先が排出する二酸化炭素を2050年度に実質ゼロにする目標を設定。環境などを重視するESG(環境、社会、企業統治)投融資額について、現在の約1500億円から5年度までに5000億円を目指すと述べられてます。7月には「サスティナビリティ経営推進担当部」を立ち上げ、「今後、脱炭素への取り組みを加速させる」とのことです。

「生命保険大手が保有する地方銀行株の削減」については各保険会社が表明しています。

日本生命保険は、国内株式の簿価5兆円のうち2%(約1000億円)を2021年度からの3年で売却する計画で、このうち約2割を地銀株が占めています。第一生命保険は売却対象の地銀に対して今後通知するとしていて、大手各社の2021年度の売却額は合計で数百億円規模になる見通しです。

地銀株の多くは長らく株価が低迷しており、生保の資産運用成績を下押しする面がありましたが、地銀株を安定的に保有してきた大手生保による売却が進めば、地銀の再編につながる可能性があります。生保は地銀株を運用資産として保有しつつ、銀行窓口販売用の保険商品を地銀に提供して営業上も近しい関係にありましたが、金利低下を受けた外貨建て商品の販売減速や新型コロナウイルス禍による来店客の減少で、地銀窓口での保険商品の販売は伸び悩んでおり、2025年をメドに導入が予定される新資本規制の影響を鑑みた上での今回の発表となっています。
保険代理店を軸に展開している地方創生には地域金融は欠かせないと考えていますので、地域金融と地元保険代理店の提携を進めていかないといけないですね。

その切口の一つが「ローカルSDGsサポーター倶楽部」かと考えています。
この勉強会の第一回目が7月27日午後から開催されます。オンラインでも参加できますので、是非ご参加下さい。宜しくお願い申し上げます。