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お金の見える化

  • 2022/05/25
  • Dr.ウエノの保険コラム
金融とテクノロジーを組み合わせたフィンテックが金融の風景を変えているとメディアで報じられていました。巨大な金融機関が独占してきた金融サービスに風穴を開け、効率化や利便性の向上を武器に垣根を越えた競争が生まれ、個人がスマートフォンで異なる金融資産を一覧し、最適なバランスを考える時代に突入したと報じられていました。確かに、お金の「見える化」は2000兆円の家計資産を躍動させる可能性を秘めると思いますね。

お金の見える化の一つに「マネーフォワードの個人資産管理アプリ」があり、これで家計の収支をチェックできます。銀行や証券などの口座と連携し、資産全体を一覧でき、お金の流れが見える化されることで資産運用の最適なバランスを考えられるようになったという方も多いと耳にします。2012年にサービスを開始したマネーフォワードの利用者は1280万人と、この4年で2倍に急拡大していて、すでに個人口座が約2400万のみずほ銀行の半分に達したことも報じられていました。

この他にも、「Zaim」社の家計簿アプリ「Zaim」も1000万ダウンロードされていたり、他にも「400F」社の「お金の健康診断」も「見える化」で活用されています。岸田文雄首相が英・金融街シティーで資産所得倍増をぶち上げましたので、まずはお金回りを整理して見える化させることは今後の肝になると思います。

金融資産の「見える化」は大きな進歩ですが、サービスの進化はそこでは終わらず、将来的には「年齢や属性に応じて最適な資産を指南する『提案型』サービス」の拡大が見込まれるとも報じていました。日本の家計の金融資産は2021年末に初めて2000兆円を突破しましたが、過去20年の伸び率は1.4倍と約3倍の米国との差はむしろ広がった上に、現預金が54%と高く、資産が増えていません。
スマホで新たな金融体験を提供するフィンテックのサービスは投資や消費に資産を回す導線となる可能性があり日本の金融サービスを活性化する効果も期待できると思います。

繰り返しになりますが、ポイントは何と言っても岸田文雄首相は貯蓄から投資への流れを後押しする「資産所得倍増プラン」を打ち出したことになります。バブル崩壊やリーマン・ショックを経てリスク回避志向が強まり、投資に慎重な日本人の行動を変えるのは容易ではありませんが、かけ声倒れとならないため、フィンテックの活用を促すための官民の取り組みが欠かせないと考えられます。

保険代理店はお金回りの相談を日常として受けています。保険代理店こそが金融リテラシー向上のセミナーを開催し、顧客に資産の見える化を推奨し、ここから資産所得倍増に向け動くというスキームこそが、肝になると考えています。

まずはお客様に資産の見える化を推奨してみて下さい。