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JTBが「脱」旅行会社へ

  • 2020/08/03
  • Dr.ウエノの保険コラム
新型コロナの影響で旅行業界は一番打撃を受けていますが、旅行代理店大手のJTBは「脱」旅行会社を打ち出しています。

「脱」何とかと響きも良いですよね。
JTBは、オンラインでのウェディングプランを販売したり、イベントの手助けやリモートを活用した株主総会の開催等、旅行以外の分野の開拓をしているそうです。「旅行を通じて作った顧客データ」がありますから、何でもできますよね。JTBの社長がテレビで「交流創造をしていく会社になる」とお話されていて、大変共感を持って拝見しました。「交流創造企業」というワード、今後、パクッて使おうかと思います。

某損害保険会社も数年後には「昔は保険会社だったの」と言われるくらい業態を変え、「テーマパークのような存在になる」と公表されていますが、保険会社も保険代理店も「脱」保険の必要性があると思います。

で、「脱」何とかになるための必須条件は、「従来の仕事を通じて集めた個人情報が豊富にあること」だと思いますが、如何でしょうか。
前述の某損害保険会社も自動車保険等の顧客データを活用して駐車場を貸す事業展開をakippaという会社に出資して展開していますよね。

昔から生保レディは300人の顧客がいれば一生保険で食えると言われていましたが、保険代理店の皆様も1000人程度の顧客はお持ちだと思います。最近、一般社団法人結心会では「モーター部会」を設立して「メガ整備工場さん」とお付き合いしていますが、メガ整備工場さん一つで顧客数20万人というようなビックデータをお持ちの会社もあります。1000人の顧客を持つ保険代理店200店分が一つの整備工場さんにあるのです。ディーラーや整備工場さん等は全国に9万店あり、ここで7000万台をこえる車検整備をしている訳ですから、こうしたモーターチャネルと提携すれば車をお持ちの方の顧客データはすべて揃うことになります。

「車検」という国の制度があるからできる、離れ業的顧客情報取得方法だと考えますが、これを生かさない手はないですよね。

トヨタ自動車自体も「脱」自動車メーカーに動いていますが、自動運転になると自動車保険は6割減ると言われている中、ディーラーや整備工場も「脱」を目指しています。どの企業も「脱」を目指す中、保険という共通業務を横串にして横連携が構築できないかと考えています。

色々な業種・業態がすべて新型コロナの影響もあり、中長期に取り組んでいた「脱」を直ぐに取り組む必要性が生じている今、こうした横連携による顧客データの相互利用は不可欠だと考えています。もっと多くの業種・業態を巻き込んで何か化学反応が起こせないかなあ。