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売らない店

  • 2021/10/04
  • ネクタイ派手夫の保険流通革命メルマガ
J・フロントリテイリング傘下の大丸松坂屋百貨店は店頭で商品を販売しない「売らない店舗」を始めることが報じられました。

大手百貨店で初めてネット販売を手掛ける新興ブランドのショールームに特化した売り場を大丸東京店(東京・千代田)に設けるとのことです。コロナ禍で百貨店が苦境にあるなかで、リアルとデジタルを融合して事業構造の変革に取り組む動きが本格化してきたと報じていました。

大丸東京店は、婦人服を扱うフロアの一角に「D2C(ダイレクト・ツー・コンシューマー)」とよばれるネット販売に特化した衣料品など約20社のブランドが出店する売り場を10月に設けるそうです。大丸松坂屋の従業員が商品の説明をしますが、店頭販売はしません。商品に付けたQRコードを来店客がスマートフォンで読み取り、誘導した各ブランドのサイトから購入してもらう仕組みで、大丸松坂屋は各ブランドから出店料を取ります。
D2Cブランドは実店舗がない場合が多く、店頭での接客スキルなどがありませんが、今回の取り組みでは、コストをかけずに消費者との直接の接点を持つこともできることになります。D2Cブランドなどを集めた「売らない店舗」は丸井グループが先行する取り組みをしていますが、大手百貨店での導入例はありませんでした。

大丸松坂屋は売らない店舗の導入で百貨店の利用客とは異なる顧客層の来店につなげる狙いがあります。売り上げの4割を占める衣料品を中心に、従来とは異なる若年層に人気の取引先企業も開拓できると見込んでいます。D2Cブランドへの出資なども検討し、コロナ後を見据えた協業体制を構築していきたい考えを示しています。

ネクタイ派手夫も先日衣料のGUに行きましたが、すべての商品に「この場では購入できません」と大きく表記され、服を試着するなどして感じを確認したらネットで申し込むという流れで、ついていけませんでした。店員も入口に1名いるだけで店内では何度も「この場では購入できません」とアナウンスされていましたが、若い人や子供連れのお母さん達で店内は混雑していました。接客無しの方が煩わしくなくて良いという方も多いことを実感しました。

であるならば、保険ショップも「保険を売らない店」にという発想につながりますが、表現に語弊がありますがそもそも「保険ショップで保険は売ってはいません」。保険ショップは来店されるお客様の悩み事・困り事等々をお聴きして解決策を一緒に考える場所として展開したがために市民権を得たと考えています。保険を売る場所でなく「愛を伝える」場所として位置づけ展開したので、保険ショップで結果的には保険の売り上げがあがっているという解釈です。衣料品のようにドラスティックに「売らない店」という訳にはいきませんが、もう一度保険を売るのではなく愛を伝えることの大切さをショップとして考えられてみては如何でしょうか。